イズミ24年2月期第2四半期決算は増収減益で着地! 果敢に積極投資を行う理由とは

植芝 千景 (ダイヤモンド・チェーンストア 編集者)
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イズミが行う価格対策とは

 他方、平氏は「とくに北九州においては価格競争が激しくなっている」と価格政策を重点的に実施していることを明かし「北九州の各店に価格決定の裁量を委譲している」と話す。

 また、原料高騰により本来値上げが避けられない商品の値段を据え置いた。その分、粗利率の高い商品の売上構成比を高めることでカバーしている。たとえば、企画・製造・販売の全工程を自前で行うイズミのオリジナル総菜ブランド「zehi (ゼヒ)」だ。イズミは今後「zehi」の売場を拡げ、売上構成比をさらに高めていく。

 低価格のプライベートブランド(PB)、および留型の「バジェット商品」開発にも注力する。このうち「バジェット商品」売上は約8億円の売上を計上し、下期は約11億円を見込む。平氏は「中期経営計画の最終年には年間売上40億円にまで高めていくことを目標とする」と意気込んだ。

イズミの今後の出店計画とは

 今後の出店計画としては、24年春には「ゆめマート新大村(仮称)」(長崎県大村市)および「ゆめモール合志辻久保」(熊本県合志市)、24年内に「五日市建替店舗(名称未定)」(広島県佐伯区)を出店予定だ。

 また、「新規出店よりも効率が良い」(平氏)としてM&A(合併・買収)にも積極投資をしていく。会見では「第二次中期経営計画でM&Aに約200億円を投資する計画を発表したところ、提案の話が相次いでいる」と、進捗について触れた。

 イズミは、こうした施策をとることで、第二次中期経営計画で示した通期営業収益5900億円、営業利益410 億円をめざす。

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記事執筆者

植芝 千景 / ダイヤモンド・チェーンストア 編集者

同志社大学大学院文学研究科(国文学専攻)修了。関西のグルメ雑誌の編集部に所属後、ダイヤモンド・リテイルメディアに入社。日本酒、特に関西の地酒好き。趣味は、未知のものを食べること。「口に入れてから考える」ことをモットーに、日々さまざまな食べものを味わっている。

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