業態超え大型再編続々の小売業界を読み解く!流通相関図2024!
三菱商事とKDDIがローソンを“共同経営”へ
もう1つのサプライズは、コンビニエンスストア(CVS)業界から届いた。2月6日、三菱商事(東京都)、KDDI(同)、ローソン(同)の3社が、「新たな価値創出」に向けた資本業務提携の締結を発表。三菱商事とKDDIがローソン株式の非公開化に関する取引に合意し、KDDIはローソンに対するTOB(株式公開買い付け)を実施する。そのうえで24年9月をめどに三菱商事とKDDIがローソンの議決権を50%ずつ保有する共同経営パートナーとなり、同社の企業価値向上に3社で取り組んでいく方針を明らかにした。
この枠組みのもと、ローソンが持つリアル店舗と顧客接点、KDDIが有する生活者とのデジタル接点や先端テクノロジーを掛け合わせることで、生活者のあらゆるシーンに寄り添う「未来のコンビニ」をめざすとしている。
通信大手であるKDDIが大手CVSの経営に関与するという異例のニュースの背景には、前述のDgS同様、大量出店を前提とした成長戦略が限界を迎えていることが挙げられる。ローソンの竹増貞信社長は、「今回の提携でテック分野におけるスピードを追求していく。中長期的な未来像では、究極的にはコンビニとECであらゆる買物が成り立つ世界を想像している」と展望を語っており、CVSのあり方そのものを再考しながら新たな成長図を描こうとしているようだ。