サンクゼール新業態「MEKEL」とは何か?「アジア+冷食」のねらいとは
洋食商材の「サンクゼール」と和食商材の「久世福商店」の2ブランドを中心に食品の製造・卸・小売の事業を展開するサンクゼール(長野県/久世良太社長)は9月2日、長野県長野市に新業態「発見の食倉庫MeKEL(メケル)長野若里店」をオープンした。同店は、注目の成長カテゴリーである冷凍食品と、アジア食材を中心に扱う専門店だ。昨今、冷凍食品専門店の出店が続いているなか、サンクゼールならではのユニークな業態開発に挑戦している。
冷凍食品×アジア食、SMにない品揃えを
サンクゼールが「MeKEL」1 号店を出店したのは、J R「長野」駅から南東へ約2.5㎞。県道372号や国道117号にもすぐ合流でき、クルマでのアクセスが良好な場所だ。
サンクゼールは「サンクゼール」「久世福商店」を、国内に 160店超展開する。自社で商品開発・製造・小売まで一貫して行う食のSPA(製造小売)を強みに成長。2023年3月期連結売上高は178億円で、直近3年で160%超の成長を遂げている。今後は、海外事業の拡大も視野に、22年12月には東証グロース市場への新規上場も果たしている。こうしたなか同社は、国内事業では「久世福商店」を中心に年間10店ペースで出店する一方で、数年前から第3の柱となる新業態開発を水面下で推進しており、今回1号店のオープンに至った。
「MeKEL」は、冷凍食品とアジア食品を主に扱う専門店だ。日本を含むアジアのこだわり商品や珍しい商品を、冷凍と常温の2 温度帯で品揃えし、「隣のスーパーにはない品揃え」をめざす。
冷凍食品は、時短やまとめ買いニーズの高まりなどにより市場が拡大中で、サプライヤー側の冷凍技術も高まっている。これに、アジア食材を組み合わせたのは、サンクゼールが以前より「アジア食品の専門店を展開したい」という想いを持っていたことがある。近年、アジア料理は外食のメニューとしてだけでなく、日常の食卓にも登場するほど人気が高まっていることから、この2つをメーンの商材に据えた。
「MeKEL」は、日常使いの店をめざしている点も特徴だ。価格帯は、食品スーパー(SM)より多少高いが、百貨店や「久世福商店」「サンクゼール」よりも低く設定するとともに、食卓の登場頻度が高い品揃えで、週に1 度来店してもらえるような業態をめざす。
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