19年ぶりの新店、AMU WE店!鹿児島の山形屋ストアが挑む新しい店づくりとは
鹿児島県と宮崎県で食品スーパー(SM)を展開する山形屋ストア(鹿児島県/原田清量社長)。同社は今年4月、およそ19年ぶりとなる新店「山形屋ストアAMU WE(アミュウィー)店」(以下、AMU WE店)をオープンした。“実験拠点”に位置付ける同店では、売場の随所でこれまでにない試みを展開している。その全貌に迫る。
山形屋ストア初の都市部・駅近立地
山形屋ストアは、創業250年を超える鹿児島の老舗百貨店、山形屋(岩元修士社長)を母体とするSM企業として1969年に設立された。九州では希少な百貨店系SMであり、日常の買物からハレの日の「ちょっといいもの」までをカバーする店として県民に支持されてきた。
同社は現在、鹿児島県に16店舗、宮崎県に6店舗の計22店舗を展開。その最新店舗であり、実に19年ぶりの新店として今年4月14日に開業したのがAMU WE店だ。JR線「鹿児島中央」駅の隣接地に同日開業した商業施設「AMU WE」の1階部分に位置し、売場面積は山形屋ストアでは標準的なサイズである約370坪となっている。
ターミナル駅隣接という好立地にあり、山形屋ストアは通勤・通学客や商業施設のお客、駅周辺の住民の利用を見込む。さらに今後、近隣で新築マンションの建設も予定されており、足元商圏のポテンシャルは高い。
ただ、これまで郊外の住宅街を中心に店舗を展開してきた山形屋ストアにとって、AMU WE店のような都市部の駅隣接という立地での出店はほぼ初めてのケースである。そのため開業に際しては、「通行人調査のほか、近隣の商業施設や家電量販店などとの情報交換の場を設け、店づくりの方向性を念入りに策定した」(AMU WE店の新福修一店長)という。
そのうえでAMU WE店のコンセプトとして掲げたのが、「即食需要の取り込み」と「山形屋ブランドの訴求」の大きく2つ。前者についてはとくに、周辺に勤めるオフィスワーカーや、駅・商業施設関係者の昼食需要、周辺住民の夕食需要に応えるべく、総菜の品揃えを強化。総菜のアイテム構成比は既存店でおよそ8%のところ、AMU WE店では20%と大きく引き上げた。
加えて、鹿児島県内で絶大なブランド力を誇る百貨店「山形屋」の名物商品を総菜を中心に導入。さらにストアロゴも山形屋の「若葉マーク」をあしらったデザインに刷新(今後既存店も同デザインに変更予定)している。
“山形屋ブランド”を大きく打ち出す総菜
メーンの売場に位置づけられる総菜から、売場を詳しく見ていこう。総菜売場は
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