「#ワークマン女子」に学ぶ!女性インフルエンサー活用

ハー・ストーリィ代表取締役 日野 佳恵子
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男性とは大きく異なる
女性の購買決定要素

 「女性視点マーケティング」とは私がつくった造語だ。ここで理解していただきたいのは、女性向けのマーケティングではなく、「女性の目から見える世界を知れば、売上が上がる」という考え方であることだ。
女性の購買決定要素は、男性の目から見えるそれとはまったく異なる。これを理解し、女性にとって手に取りやすい、買いたくなる仕掛けと仕組みを作ることを女性視点マーケティングという。

 この方法には、さまざまなメリットがある。まず、女性視点を理解された売場づくりが実現されれば、女性客の購買意欲が刺激され、買物点数が増える。

 また、女性は夫や子ども、親、近所のママ友などの自分以外のことも想起して買物をする特徴がある。それに応じてギフトや代理購買など、他者を想像できる売場にすることができれば、単価も上がりやすくなる。

 しかし多くの小売店では、女性客が多いといいながら、女性視点の売場を実現できていない。本連載では、そんな小売店向けに女性視点マーケティングのヒントを提示したい。

「#ワークマン女子」で
売上の6割を占めたもの

ワークマンが女性向けに開発した「#ワークマン女子」
ワークマンが女性向けに開発した「#ワークマン女子」

 女性視点を生かし大きな成功を果たした企業の1つが、近年、話題が絶えないワークマン(東京都)だろう。

 2020年からスタートした新業態店舗「#ワークマン女子」は、より女性を意識した店づくり、商品構成を実践し、ショッピングモール内に出店した専門店だ。開業時は女性が、自分用に商品を購入すると想定されていた。しかしオープンしてみると、なんと来店者は女性が圧倒的に多いのに、売上の約6割は男性向け商品だったという。前述したように、女性は「自分」だけでなく「誰かのモノを買う決定者」であるという視点が入ると、マーケットは拡大できるのだ。

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