コスモス薬品、ゲンキー、クスリのアオキ 日本全国で暴れ回るフード&ドラッグ3社の戦略と実力、影響を徹底解説!
「価格」と「買物利便性」からコロナ禍で需要が急伸!
「うちの奥さん、お菓子や飲み物なんかがすごく安いからって、私の会社の店ではなく近所のドラッグストア(DgS)に行くって言うんですよ」。北陸地方に店舗を展開する某食品スーパー(SM)企業の社員は、自嘲気味にこう漏らした。
食品を豊富に取り扱うDgSは、今や枚挙にいとまがない。購入頻度の高い食品を赤字覚悟の低価格で販売して集客を図り、粗利益率の高い医薬品や化粧品によって利益を稼ぐ──。こうした経営戦略はDgS業界ではもはや異端なものではない。調剤・医薬品や化粧品、日用品といった従来型DgSの商材に食品という頻度品を組み合わせることで、ドミナント出店が可能かつ小商圏でも成立するモデルづくりを行う「フード&ドラッグ」企業は、今日の国内流通業界において大きな存在感を放っている。
そして、いまだ収束の兆しが見えない新型コロナウイルス(コロナ)の感染拡大は、フード&ドラッグが持つ「ワンストップショッピングの利便性」と、SMやコンビニエンスストアと比べたときの「圧倒的な価格の安さ」をより際立たせる出来事にもなった。消費市場に目を向けると、感染防止の観点から、「1 つの店舗で必要なものをまとめ買いしたい」というニーズが高まっているほか、コロナ禍での景況感の悪化で節約志向も強まっている。そうした需要に対し、「比較的コンパクトな売場面積」で、「DgS ならではの商材と生鮮を含む食品の双方を豊富に」取り扱い、なおかつ「商品を安く提供する」というフード&ドラッグへの支持が高まるというのは自然な流れだろう。
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