プラットフォーマー起因の歪な過剰生産が生み出す巨大ビジネス、SheinとShoichi
Sheinが3日で3000SKUを生産するのは不可能

ものづくりの現場を知っている人であれば、3日で3000SKUを生産するなど物理的に不可能であることはすぐにわかる。これは、リードタイムの問題でなく、素材の問題だ。商社の方は考えてもらいたい。
このような「限定ブランド」に安易に飛びつき、
しかし、3000種類のバルク素材、布帛、ジャージー、
Sheinがやっているのは、このような世界的潮流の結果生まれた余剰在庫を買いあさり、低価格で売っているだけなのだ。実は、同じような商売は、日本でも展開されている。それがShoichiであり、ワールドと組
知らない人のために補足しておくと、Shoichiとは「眠れる在庫に魂を与え、再び輝くステージを与えます!」を理念に、法人向けに特化した在庫処分代行業を行っている会社だ。
つまりSheinがやっているのは、
以前この説明を本オンラインでした際、最も多かった質問は「余った商品を押しつけられてどうやって商品政策(MD)が組めるのか」というものだった。だが、それは順序が逆だ。データベースマーケティングによって、売れる商品のサイズ、シルエットなどをあらかじめデータとして持ち、それに合致した商品だけをSheinは買っているところが、Shoichiとは異なるところだろう。
実際私は、中国で友人がSheinのウエブページをAIスマホの画像検知で写真を撮り、サーチしたところ、6つの異なるウエブサイトに、全く同じモデル、同じ服が売られていたのを、Zoom会議で見た。ちなみにモルガンスタンレーは、2022年にSheinはZARAを抜かして世界トップになる可能性があると予想している。
私たちは、もっと論理的、
また、トヨタと日産が12月14日、
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プロフィール
河合 拓(事業再生コンサルタント/ターンアラウンドマネージャー)
ブランド再生、マーケティング戦略など実績多数。国内外のプライベートエクイティファンドに対しての投資アドバイザリ業務、事業評価(ビジネスデューディリジェンス)、事業提携交渉支援、M&A戦略、製品市場戦略など経験豊富。百貨店向けプライベートブランド開発では同社のPBを最高益につなげ、大手レストランチェーン、GMS再生などの実績も多数。東証一部上場企業の社外取締役(~2016年5月まで)
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