伊勢丹周辺「高感度な街に」=新宿再開発巡り―細谷三越伊勢丹HD社長

時事通信社
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インタビューに答える三越伊勢丹ホールディングスの細谷敏幸社長
〔写真説明〕インタビューに答える三越伊勢丹ホールディングスの細谷敏幸社長=5日、東京都新宿区(時事通信社)

 三越伊勢丹ホールディングスの細谷敏幸社長はこのほどインタビューに応じ、東京都新宿区などと構想中の伊勢丹新宿本店周辺の再開発について、「感度の高い街にしたい。夜中まで遊べるようにすれば世界中から人が集まる」と語った。ホテルやオフィスに加え、娯楽施設も整備し、地域の魅力を一段と高めたい考えだ。

 細谷氏は「われわれ(のグループ)には警備もある。ホテルも勉強中だ」と述べ、同店を中核にグループ全体で再開発に関与する姿勢を示した。アプリなどを通じ、個別の関心事や有用な情報を提供するといった「百貨店ならでは」のきめ細かいサービスも検討する。

 伊勢丹新宿本店の売上高は、百貨店では国内首位。2022年度はインバウンド(訪日客)の回復効果もあり過去最高の3276億円を計上した。ただ、細谷氏は「のれん(ブランド)の力や周辺の保有不動産を使い切れていない。店の営業時間以外は利益を生んでいない」と指摘。街の活性化に主体的に関わり、資産の有効活用も狙う。

 同社は中期経営計画で、店舗周辺の再開発に力を入れる方針を示している。新宿に加え、三越日本橋本店(東京都中央区)周辺も地域と一体で再開発に取り組むという。

 足元では、国内外の上得意客に担当者が付いて買い物などを提案する「外商」が好調。外商客になりたいとの申し出が相次いでいる。細谷氏は「うちと一生付き合いたいと考えていらっしゃるか確認したい」と述べ、むやみに顧客を増やすことはないと説明した。

 一方、苦戦が続く地方店については、自らが業績回復に導いた岩田屋三越(福岡市)の例に触れ、「経費の使い方、商品政策のバランス、顧客との付き合い方を変えるなど、まだまだやりようがある」と強調した。 

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