打倒アマゾンがいよいよ現実に!?コープさっぽろ大見理事長が語る「次の一手」

聞き手:阿部 幸治 (ダイヤモンド・チェーンストア編集長)
構成:フリーランスライター:松岡由希子
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コロナ禍による食ECのニーズ拡大を受け、ネットスーパーと並んで生活協同組合(生協)の宅配が脚光を浴びている。数ある地域生協の中でも、その物流網の強固さからとくに注目されているのが、北海道全域で宅配事業を展開する生活協同組合コープさっぽろ(大見英明理事長:以下、コープさっぽろ)。“最強宅配”との呼び声高いコープさっぽろは、急激な需要増にどう対応しているのか。大見理事長に聞いた。

毎週1000人規模で新規組合員が増加!

──コロナ禍においてコープさっぽろの宅配事業の供給高(売上高に相当)はどのように推移していますか。

コープさっぽろ理事長 大見英明
大見英明
1958年生まれ。北海道大学教育学部卒業。
82年コープさっぽろ入協(水産担当者)。93年ルーシー店店長。98年水産部長、2000年生鮮本部長。02年理事商品本部長、04年常務理事、06年専務理事、07年理事長(現任)に就任。日本生活協同組合連合会常任理事(現任)、日本流通産業株式会社代表取締役副社長(現任)

大見 2020年2月28日に北海道で緊急事態宣言が発出されて以降、宅配事業の供給高は増加し続け、5月1週のピーク時には、利用者数が対前年同期比20%超増、供給高は同40%増となりました。6月以降も、利用者数が同10%増、買い上げ点数が同10%増のペースで推移しており、供給高は同20%超増を維持しています。

──コロナ禍で組合員の利用動向に変化はみられますか。

大見 30代から40代までの若い世代を中心に、コープさっぽろの宅配システム「トドック」を利用する新規組合員が毎週1000人規模で増え続けています。「トドック」を利用した組合員の多くが、利便性の高さや生鮮食品の鮮度の高さを実感し、「トドック」を継続的に利用しています。新型コロナウイルス感染予防策として外出を控える傾向が強まっていることから、70代以上の組合員でも「トドック」の利用率が高まっています。

──「トドック」の受注点数の増加にどのように対応していますか。

大見 「 トドック」の受注点数はピーク時に週500万件を超え、そのうち、低温度帯の商品を扱うものは320万点に達しました。商品のピッキング(集荷・仕分け)は通常、週5日で稼働していますが、一部の組合員の配達日を1日遅らせて週6日稼働することで対応しました。コロナ禍でも商品の在庫数量は適正に確保し、メーカー欠品を除いて在庫切れは発生していません。今後も受注点数の増加が見込まれることから、約3億円を投じ、11月中旬に江別物流センター(北海道江別市)で低温度帯の商品をピッキングするラインを増設します。これにより、週あたり最大360万点の低温度帯の受注に対応し、宅配事業で年間1000億円規模以上の受注キャパシティを確保できます。

アマゾン対抗策は品揃えの拡充

──コープさっぽろでは、

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