情シスの役割は「ボランチ」!?DXを進めるために必要なこととは?

ダイヤモンド・リテイルメディア:高浦佑介 (ダイヤモンド・ホームセンター編集長)
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アフターDXを見据えた組織づくり

 もちろんこれだけのスキルをもった人材はなかなかいないだろうし、内部で育成しようとしてもモデルになる存在がなければうまくいかないのは明白だ。

 そこで野原氏はそこに導くひとつの解として次のようなアドバイスを送っている。「内製化を視点に考えると、ベンダーでプロジェクトマネジャーとして活躍している人を社内の環境を整えて迎え入れる、ということを考えてもいいのでは。実際の開発現場でフロントに立っている一流のSIerの人材はビジネスのこともよく理解している」

 またシステム開発側の人材としても「初期稼働のシステムをつくるのはSIerだが、事業会社に入れば初期稼働したものをブラッシュアップさせて事業をつくっていくことになる。それだけ自身のキャリアの可能性が広がる」と考える傾向が出てきているという。

 最後にDXが進み出してから注意すべき点として野原氏はこう付け加えている。

 「DXはあくまでも過渡期。アフターDXをめざすことを忘れてはならない」

 アフターDXとは、事業メンバーとシステムメンバーが融合して組織を運営し、事業拡張のスピードに対応できるシステムへの継続的なリプレイスを計画できる状態をいう。

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ダイヤモンド・リテイルメディア

高浦佑介 / ダイヤモンド・ホームセンター編集長

2010年東京大学文学部卒業、12年同大学院修士課程(社会心理学)修了。14年ダイヤモンド・リテイルメディア入社。『ダイヤモンド・チェーンストア』誌の編集・記者を経て、19年4月より現職。

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