1号店から3年、進化する無人決済店舗TOUCH TO GOの現在地

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勝つDX

人材難や人件費の高騰により、人材の確保や運用に困っている小売店舗は多い。その問題を解決するソリューションが、無人決済システムだ。近年では複数の企業が開発に乗り出すようになった同システムだが、その草分け的存在と言えるのが、TOUCH TO GO(東京都/阿久津智紀社長:以下、TTG)である。同社の設立から3年超、無人決済店舗ではどのような成果が見られているのだろうか。

人件費削減効果約75% 消費者の満足度も約88%

 TTGが提供しているのが、無人決済システム「TTG-SENSE」。このシステムを導入した店舗では、店内でお客が手に取った商品を天井のカメラや棚のセンサーで自動認識し、レジに持っていくとその一覧が表示される。お客がお金を支払うことで、店舗出口のゲートが開いて退店できるという仕組みだ。このシステムは、常駐スタッフ不要の店舗運営を可能にする。人件費削減効果は約75%にもなるというから、メリットの大きさがわかるだろう。

 無人決済システムは、消費者からも好評だ。システム実用化の第1号店となったTTGの直営店舗「TOUCH TO GO」(東京都港区)で行ったアンケートでは、来店客の約88%が「無人決済でよい」と回答している。アプリのダウンロードなど事前の手間が一切不要でありながら、決済にかかる時間が有人レジより短い「TTG-SENSE」は、費者にも確実なメリットをもたらしている。

 お客がどの商品を手に取ったのか、同システムが正確に認識できる確率は約95%にもおよぶ。システムが誤認識をしてしまった場合は、お客自身がレジで修正する必要があるが、その手間が発生するケースはほとんどないと言っていい。

JR「高輪ゲートウェイ」駅構内に出店する、無人AI決済店舗の第1号店「TOUCH TO GO」
JR「高輪ゲートウェイ」駅構内に出店する、無人AI決済店舗の第1号店「TOUCH TO GO」

ファミマとの協業着々、FC店舗への展開も

 TTGがこのシステムを普及させていくうえで、強力なパートナーとなっている企業が、コンビニエンスストア(以下、CVS)大手のファミリーマート(東京都/細見研介社長)だ。

 CVS業界の中でも、無人決済導入に力を入れている同社は、

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ダイヤモンド・チェーンストア編集部 / 株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア

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