カインズも導入、小売業界に導入進む、最新技術の知能ロボットとは?

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勝つDX

人間に代わってさまざまな作業を自動化・効率化する「産業用ロボット」が注目を集めている。小売業においては、重量物を運ぶ作業が多い物流施設内で産業用ロボットの導入が進んでおり、省力化や省人化、業務効率化に大きく貢献している。実際に、小売の現場では、どのようなロボットが活用されているのか。産業用知能ロボットコントローラの開発・販売、知能ロボットソリューションを手がけるMujin(東京都/滝野一征社長)の担当者を取材した。

独自開発の機械知能で速やかな移載が可能に

 昨今の人手不足や人件費・経費の高騰といった社会的背景もあって、産業用ロボットの導入が進んでいる。Mujinでは物流現場向けに倉庫での作業工程(入荷・入庫・保管・出庫・仕分け・出荷)のうち、入荷・仕分け・出荷を行う産業用知能ロボットソリューションを提供している。

 Mujinが提供するのは、「知能ロボット」と言われるロボットだ。知能ロボットとは、脳にあたるロボットコントローラ、人の手の動きに相当するロボットアームとハンド、目で認識する3Dビジョンカメラで構成されたロボットで、環境の変化にも柔軟に対応しながら自律的な行動がとれる点を特徴とする。

段ボールを吸着させ掴んでいるロボットアームの先端部分が「Mujinハンド」
段ボールを吸着させ掴んでいるロボットアームの先端部分が「Mujinハンド」

 同社が提供する物流向け知能ロボットの「MujinRobotシリーズ」には、荷物をパレット(荷役台)に積み入れる「パレタイザー」、積み降ろす「デパレタイザー」、ピース品のピッキングや仕分けを行う「ピースピッカー」がある。主力商品となるパレタイザーとデパレタイザーは、飲料水や家具などの重量物を運搬する際などに活躍している。繊細な作業を得意とする「ピースピッカー」は、多種多様な形状がある食品や取り扱いに注意を払う必要がある医薬品・化粧品などの運搬を得意とする。

 MujinRobotの最大の特長は、ロボット自体が自ら考えて最適なロボット動作によってタスクを実行できるという点だ。MujinRobotは、ロボットの動きを自動生成する制御ソフトウェア「Mujinコントローラ」を搭載している。Mujinコントローラは、ロボットの“頭脳”を司る同社のコアプロダクトであり、これを接続することでロボットは「知能化」される。

 Mujinコントローラは、AI(人工知能)ではなく、Mujinが独自に開発する「MujinMI(Machine Intelligence)」といわれる機械知能を採用している。MIは自動運転にも採用されている技術で、特化した領域において、100%論理的な計算に基づいてタスクを実行することにたけている。このMujinMIにより、知能ロボットは現実世界を考慮してリアルタイムで動作生成することが可能となる。一回一回の移載を最適な経路で動くため、毎回同じ軌道で作業を行う従来型のロボットに比べて、

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ダイヤモンド・チェーンストア編集部 / 株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア

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