フード&ドラッグの最注目店舗「イオンタウン幕張西店」のココがスゴイ

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今回訪れたのは、千葉県千葉市にある「ウエルシアイオンタウン幕張西店(以下、幕張西店)」だ。イオン(千葉県)グループのショッピングセンター内に店舗を構える大型郊外店舗で、2021年10月21日のオープン以降、現在まで多くの方に親しまれている。オープン当初から業界紙で紹介されるなど業界内でも注目店として話題になったこの幕張西店。本稿では、現役ドラッグストア店員の目線で同店の売場を観察してみたい。

ウエルシアイオンタウン幕張西店の外観

計算され尽くしたPB展示コーナーに注目!

 店舗に入って思わず感動のため息をついたのは、店内入ってすぐのプライベートブランド(PB)の展示コーナーだ。ウエルシア薬局(東京都)では、「人生の毎日を、健康で、美しく」をモットーに食品や肌に触れる商品を揃える「からだWelcia」、「生活に便利、快適、安心」をお届けする「くらしWelcia」の2ラインでPBを展開している。同店のPBコーナーでは、健康と暮らし、それぞれの訴求にあったプロモーションを目に留まりやすい入口で大きく行っていたのが目を引いた。

 同コーナーで特筆したいのが、「PBのみ」を「入口」で「大きく展開していること」という点だ。一般的に、PBの商品扱いは“NB(ナショナルブランド)品あってこそ”であり、認知度が高いNB品が並ぶ売場にPB商品を一緒に並べるのが定石だ。消費者の認知度はNBが勝るので、NBと価格比較してお得なPBを選んでもらう……いわゆる価格訴求の演出で使われるケースが多い。

 一方、幕張西店のPB展示コーナーはNB商品が一切なく、PBのみで構成されている。このような売場演出は、お客さまに対し、PB商品の質の良さ、また、自社の商品に対する自信を感じさせることだろう。また、パッケージデザインが揃っているため、「売場の統一感」も演出されており、商品の魅力を2倍、3倍に引き上げている。

 たとえ同コーナーで購入につながらなかったとしても、お客さまが店内を回って定番棚でもう一度商品を目にすることで「そういえばこの商品、入口にも置いてあったな」と思い返すことで、購入につながるケースも多いだろう。前述のとおり、ウエルシア薬局のPBはパッケージデザインが統一されているため、印象に残りやすい。思わず唸ってしまうほど、計算高くて美しい売場提案であると感じた。

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記事執筆者

4年制大学卒業後、某ドラッグストア企業に入社。現役ドラッグストア店員。医薬品登録販売者資格保有。売場の魅せ方や販促物の使い方など商品展開に興味を持ち、ドラッグストア巡りを始める。趣味:ドラッグストア巡り、映画鑑賞。

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