岡田尚也社長が語る ビオセボンが駅ナカに出店を始めた理由

2019/07/31 05:15
    大宮 弓絵 (ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長)
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    気軽にオーガニックの魅力を知ってもらう

     さらに、同店で拡充したのが「小型スナック」だ。レジに続く壁面には、バータイプや小袋入りの菓子を幅広くラインアップ。路面店よりも、単価の低い商品を揃えることで、気軽にオーガニック商品を購入してもらえるように工夫している。
     そのほか、ビオセボンが力を入れる青果や日配品、量り売りのナッツは、限られた売場面積ながら「ビオセボンを象徴する商品」として品揃えしている。

    レジに続き壁面で売り込む「小型スナック」。なかには200円台の商品もあり、単価の低い商品を揃えることで、気軽にオーガニック商品を購入してもらえるように工夫している
    レジに続く壁面で売り込む「小型スナック」。なかには200円台の商品もあり、単価の低い商品を揃えることで、気軽にオーガニック商品を購入してもらえるように工夫している
    ビオセボンが力を入れる青果や日配品、量り売りのナッツは、限られた売場面積ながら「ビオセボンを象徴する商品」として品揃えしている
    ビオセボンが力を入れる青果や日配品、量り売りのナッツは、限られた売場面積ながら「ビオセボンを象徴する商品」として品揃えしている

     これまでビオセボンは、青果や日配品といったふだんの食卓のためのオーガニック商品の販売を強化し、それにより来店頻度を高める店づくりを行ってきた。
     一方で同店は、生鮮食品や日配の品揃えは最小限に絞り、手軽に購入できる総菜をはじめスイーツ、小型スナックを充実。「客単価は最も低く、来店客数は最も多い店になる」(岡田社長)と想定しており、これまでと大きくねらいの異なる店であることがわかる。

     ビオセボン・ジャポンは20年までに数十店舗体制を構築するという目標を明らかにしている。この積極出店の先にイオングループが見据えるのは、日本でのオーガニック市場の拡大だ。そんななか同店は、幅広い客層の利用が予想され、手頃な価格で商品を購入できることから、ビオセボンやオーガニック商品の認知度拡大につながりそうであり、「サテライトショップ」のような役割が期待できそうだと感じた。

     ビオセボン・ジャポンは今後、新たに駅ナカに出店する具体的な計画はまだないという。岡田社長は「サイズや立地を見極めながら、路面店にとどまらず、さまざまなかたちでオーガニックを提案できる柔軟な店づくりをしていきたい」と語る。オーガニック市場の開拓に向けてイオンは挑戦を続けている。

    【店舗概要】
    店舗名   ビオセボン明治神宮前メトロピア店
    所在地   東京都渋谷区神宮前1-18-22 明治神宮前〈原宿〉駅構内
    営業時間  平日・土7:30~22:00/日祝9:00~21:00
    売場面積  26.6坪
    従業員数     10人(うち正社員2人)
    駐車場   なし

     

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    記事執筆者

    大宮 弓絵 / ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長

    1986年生まれ。福井県芦原温泉出身。同志社女子大学卒業後、東海地方のケーブルテレビ局でキャスターとして勤務。その後、『ダイヤモンド・チェーンストア』の編集記者に転身。最近の担当特集は、コンビニ、生協・食品EC、物流など。ウェビナーや業界イベントの司会、コーディネーターも務める。2022年より食品小売業界の優れたサステナビリティ施策を表彰する「サステナブル・リテイリング表彰」を立ち上げるなど、情報を通じて業界の活性化に貢献することをめざす。グロービス経営大学院 経営学修士

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