旧店の約8倍! 世界最大の「無印良品 広島アルパーク」に見る独自の地域密着戦略

松尾 友幸 (ダイヤモンド・チェーンストア 記者)
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予約不要で健康相談ができるサービスも

 地域の住民が気軽に集まることができる「コミュニティセンター」をめざす無印良品。その一環として広島アルパーク店には、「無印良品 直江津」(新潟県直江津市:以下、直江津店)に続き2店舗目の「まちの保健室」を導入した。

「まちの保健室」では血圧計などを設置し、気軽に健康チェックができるようにした
「まちの保健室」では血圧計などを設置し、気軽に健康チェックができるようにした

 まちの保健室は、地域住民が気軽に健康相談できるのが特徴だ。看護師や管理栄養士などが日替わりで常駐し、予約なしで健康相談ができる。また、血圧計などを設置し、買物の合間に手軽に健康測定が可能だ。また、健康に関連する商品を販売するほか、直江津店と同じく「クオール薬局」が運営する調剤薬局も併設する。

 無印良品の新店の内覧会に行くと、「地域に巻き込まれる」という言葉をよく聞く。その言葉からは、無印良品が地域の主役となるのではなく、あくまで地域活性化のきっかけをつくる場所としての役割を意識していることがわかる。広島アルパーク店をはじめ、一部の店舗が実施している「つながる市」(地域の生産者が出店したりワークショップなどを開催したりする企画)はそのことを体現した代表的な施策だろう。単に地域産品を取り扱うだけでなく、地域住民が自然と集まりやすくなるサービスやイベントを展開する無印良品の取り組みは、小売業の「地域密着」において参考になる部分が多いのではないだろうか。

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記事執筆者

松尾 友幸 / ダイヤモンド・チェーンストア 記者

1992年1月、福岡県久留米市生まれ。翻訳会社勤務を経て、2019年4月、株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア入社。流通・小売の専門誌「ダイヤモンド・チェーンストア」編集部に所属。主に食品スーパーや総合スーパー、ディスカウントストアなど食品小売業の記者・編集者として記事の執筆・編集に携わる。趣味は旅行で、コロナ前は国内外問わずさまざまな場所を訪れている。学生時代はイタリア・トリノに約1年間留学していた。最近は体重の増加が気になっているが、運動する気にはなかなかなれない。

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