21年夏の総菜部門で、売上をアップするための3つの秘策とは
1年以上続くコロナ禍、先行きも不安定とあって、食品小売業の総菜部門は、どう仕掛けるべきかに頭を悩ませるところだ。今回は3つのキーワードを軸に、夏場の総菜の仕掛け、売り方についてお伝えしていく。
昨年のイレギュラーを正しく認識し、今年に生かす
まずは昨年6~9月の振り返りと今年の与件変化を一覧にまとめた(下図参照)。
2020年の天候面を振り返ると、6月は猛暑と豪雨、7月は雨続きとそれに伴う日照不足、8~9月は猛暑であった。ただし、台風の上陸はゼロで、夏場以降の豪雨被害は最小限に抑えられたかたちだ。
行事催事では、コロナ禍につき夏祭り、花火大会が相次ぎ中止となり、お盆休み期間も帰省自粛が相次いだ。そのため、ルーラルエリアの店を中心に大きな痛手となった。一方、巣ごもり消費により、「土用の丑」の時期は好調に推移した。
生活スタイルでは、1回目の緊急事態宣言が完全に明けたのが5月末、そこから学校が始まり1学期は8月初めまで、同下旬には2学期開始。レジ袋有料化や菅政権発足など大きな変化も。そして長梅雨による野菜の価格高騰も自粛下の家計を直撃した。では、今年はどうなるのだろうか。
基本は「コロナ次第」だ。したがって、「自粛継続」「日常を取り戻す」、この両方を常に想定した販促計画が必要となる。天候面でも同様のことがいえる。6月から「真夏の品揃え」と「平年並みの天候」、双方を想定した計画をたてることが求められる。豪雨対応は、その都度、地域ごとに必要だ。以上のことから、売場づくりのポイントは常にどっちに振れても対応できる、「二刀流」が1つめのキーワードとなる。

コロナが沈静化して日常が戻ると、イベントや帰省が活発となるため、総菜部門のチャンスは増加する。ただし、ここで重要なのは情報収集だ。コロナが明けたからといって例年どおり花火大会があるとは限らないからだ。すでに中止を決めたところもあれば、延期、規模縮小を行うなど、イベント対応にはバラつきがある。そこで、バイヤーは事前に商品企画を準備しておくとともに、各店は地域の情報を集めながら、商品部と連携してきめ細かく対応を進めることが求められる。なお、オリンピックについては自宅での観戦がメーンとなるので、おつまみ対応がポイントとなる。
いずれにせよ短期的には、日常生活が完全にコロナ前に戻ることはない。ただし、生活スタイルにおいて去年と違うのは「学校」に関することだ。昨年は夏休みの短縮で子供の昼食需要は少なかった一方で、今年は例年どおりの対応に戻す必要がある。
お客の心理をとらえた品揃えを
具体的な売場づくり、商品政策(MD)について、①天候、②行事催事、③量目対応による品揃えの拡大の3つの項目に分けて解説していきたい。
①天候では、6月初旬から
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