米菓はコロナ禍による巣ごもり需要で大きく拡大、4~5月の金額PIは2ケタ増に到達!

山田陽美(ライター)
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新商品やプロモーションで若年層を取り込む

米菓の金額PIおよび金額PI対前年推移

 堅調に推移してきた米菓市場だが、メーンユーザーは50代以上で、若年層の取り込みが課題となっている。そこで亀田製菓では、あられを洋風に味付けした「洋風あられコレクション アラコレ」や、30~40代女性をターゲットにしたハーブの香り豊かな「玄米ちっぷパリッカ ハーブソルト味」を投入した。「パリッカ」は従来の米菓にはない女性の目を引くデザインで、おやつはもちろん、ワインなどのお酒のおつまみとしての相性もよい。

 一方、栗山米菓では、主力の「ばかうけ」や「星たべよ」「瀬戸しお」と、人気アニメや話題のデジタルコンテンツとコラボレーションを実施。人気コンテンツとコラボすることで若年層にアプローチし、ブランドの若返りを図っている。

 若年層にアピールする商品を投入する一方で、メーンターゲットに向けても強化しており、栗山米菓では「脳を鍛えるドリル付き」の「おいしい 玄米せんべい うすしお味」を発売。食べながら個包装のドリルを楽しんでもらう内容になっている。春にはエコパックにリニューアルした。

環境に配慮したエコパッケージ導入の商品が続々

 米菓の包装は、中身が割れるのを防ぐため、プラスチック素材のトレーが使用されている商品が多く、またパッケージも大型になりやすい。環境問題が深刻化するなか、各社ではプラスチックトレーの廃止や商品のスリム化などでプラスチックの使用量削減を行っている。

 亀田製菓では、人と環境に優しいエコパッケージに取り組んでおり、「洋風あられコレクション アラコレ」や「玄米ちっぷパリッカ」などを含め、エコパッケージのラインアップを増やしている。

 また、岩塚製菓では、プラスチックトレーを廃止し、従来品よりスリムパックにした「岩塚あられ 鬼ひび」をリニューアル。三幸製菓も子供が食べやすい従来品よりも一回り小さい「ちいさな雪の宿」「ちいさなぱりんこ」のプラスチックトレーを廃止。栗環境に配慮したエコパッケージ導入の商品が続々山米菓も「おいしい玄米せんべい」をスリムパックに変更した。新製品はもちろん、既存ブランドも環境配慮型のパッケージに変更する動きが活発となっている。

 トレーなし、スリムパック商品は、環境負荷を低減できるとともに、持ち帰りもかさばらず、ゴミの排出量削減にもつながる。また、小売店にとってもスペースを有効活用できるなどメリットが多いため、今後は米菓全体に広がっていくことが予想される。

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