第2次からあげブームは2つの専門店の東京進出から始まった!=連載:深掘りすれば見えてくる

2020/04/21 12:11
ダイヤモンド・リテイルメディア 流通マーケティング局

からあげといえば、かつてはお弁当のおかずの定番として親しまれていたものだが、今や味にこだわる専門店が続々と誕生し、からあげの“聖地”も存在するほどだ。とくに近年のからあげ人気には目を見張るものがあり、寿司や天ぷらに続く国民食としての地位を獲得。日本の食文化に大きな影響を与えている。そこで今回は、子供から大人まで幅広い世代から愛される「からあげ」にスポットを当てる。

深掘りすれば見えてくる「からあげ」アイキャッチ

そもそもからあげとは何なのか? いつ、誰によってつくられ、どのような経緯をたどって、現在のような発展を遂げたのか? からあげの定義を知り、歴史を探るために、一般社団法人 日本唐揚協会(以下、日本唐揚協会)専務理事の八木宏一郎氏に話を伺った。 

一般社団法人日本唐揚協会専務理事 八木宏一氏
一般社団法人日本唐揚協会専務理事 八木宏一氏

高度経済成長期に第1次からあげブーム到来

 日本唐揚協会とは、2008年10月に設立されたからあげの愛好者団体だ。からあげの地位向上をめざす活動に取り組み、からあげイベントの開催や商品開発への協力・プロデュース、「からあげマップ」の作成、からあげの情報発信などを担う「カラアゲニスト」と呼ばれる人材の育成などを行っている。

 八木氏によれば、同協会におけるからあげの定義は次の条件を満たしたものだという。「①一般的には鶏肉は多いものの、食材は問わない、②下味をつけるのが一般的だが、下味はなくてもいい、③食材に粉を薄くまぶしてある。ただし、パン粉はフライとなるので除く、④油で揚げている。ただし、揚げ油の種類は問わない」の4つだ。シンプルな定義ゆえ、からあげの範疇は広く、北海道にルーツをもつ「ザンギ」や宮崎県の「チキン南蛮」、名古屋めしの代表格「手羽先」、さらには「竜田揚げ」や「素揚げ」「フライドチキン」もからあげのカテゴリーに入る。

からあげのイメージ

 では、からあげはいつ誕生したのか? 実は、その起源ははっきりとわかっていない。外食産業のメニューとしては、1932年に東京・銀座にある三笠会館で登場した記録はあるものの、戦前戦中は一般にはからあげは普及していなかったようだ。からあげが身近な存在になるのは63年以降だ。短期間で飼育・出荷できるように改良された食用鶏・ブロイラーが欧米より導入されたことで、高度経済成長期の外食産業でからあげがメニュー化。第1次からあげブームが到来した。一般家庭に普及するのは74年以降。日清製粉(現 日清フーズ)より「日清 から揚げ粉」が発売されたことで、家庭でも手軽にからあげがつくられるようになった。

 「この背景には、当時“三種の神器”の1つといわれた冷蔵庫の普及があります。鶏肉は畜肉のなかでもとくに足が早く、冷蔵庫がなければ、新鮮な鶏肉を手に入れたときしかからあげをつくることができなかった。さらに、全国のインフラ整備が進み、物流網が大きく発展。物流における冷凍・冷蔵技術の進化も加わって、からあげは急速に普及したといえます」(八木氏)

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