英オーガニックSMの草分け「プラネット・オーガニック」の倒産危機騒動が示唆すること

リテイルライター:太田美和子
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英国初のオーガニック・スーパーマーケット(SM)として知られるプラネット・オーガニック(Planet Organic)が倒産の危機に直面した。これが、3月から4月にかけて食品小売業界のみならず、消費者からも高い関心を呼んだ。結果的に同社は生き残れたが、あらゆるステークホルダーにとって、企業の提供価値について考えさせられる出来事となった。

プラネット・オーガニックのECは休止中で、代わりに同社のミッションや方針が掲示されている

プラネット・オーガニックは1995年にロンドンで創業した。創業者のレネー・エリオット氏がめざしたのは、地域社会の健康促進だった。開店当初は集客に苦労したが、96年の狂牛病発生を機に食の安全性への関心が高まり、同社の認知度は高まった。2009年にエリオット氏は経営から離れたが、同社は順調に成長し、19年には店舗数が8店舗になり、アイテム数を約8000SKUへと徐々に充実させていった。

20年3月には同業のアズ・ネーチャー・インテンディッド(AsNature Intended)を買収。さらに21年秋に1億4000万ポンド(約240億円:1ポンド=170円で換算、以下同)を投じて新規出店するなどして店舗数は14店舗に増えた。22年には初の配送センターを開設。同社の経営は軌道に乗っているかにみえた。しかし、

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