物流、レジレス、ヘルスケア、SM…成長鈍化も多様な領域でビジネス拡大するアマゾンのいま

鈴木 敏仁(代表)
Pocket

アメリカ小売業

アマゾンの直近の業績に目を向けると、売上高成長率の鈍化、10年ぶりの最終赤字と振るわない。しかしその水面下では、食品小売事業の強化、レジレス技術をはじめとするBtoBの推進、M&A(合併・買収)によるビジネスの多角化など、依然としてダイナミックな動きを見せている。

10年ぶりの最終赤字もキャッシュフローは強固

 アマゾンの2022年度の連結売上高は5139億8300万ドル(対前年度比9.4%増)、連結営業利益高122億4800万ドル(同50.8%減)、最終利益高は27億2200万ドルの赤字だった。

 20~30%近い売上高成長率を維持していた頃、ウォルマートを抜くのは時間の問題だろうと誰もが考えていたものだが、成長率が鈍化すると先延ばしとなる。世界最大の売上高を誇るウォルマートに肉薄するアマゾンという図式だが、抜こうが抜くまいが、両社ともに小売企業だという点は忘れてはなるまい。アメリカは小売業界が強い国である。

郊外立地のアマゾンゴーの店舗
リアル店舗事業はリストラが進むが、食品小売を重視する姿勢は変わらないようだ(写真は郊外立地のアマゾンゴーの店舗)

 アマゾンが赤字を計上するのは14年度以来なのでおよそ10年ぶりだ。原因は投資している電気自動車メーカーのリヴィアン株の減損が大半を占めており、数年前には大きな上場益を計上しているので相殺ということになる。キャッシュフローを最重視する創業者のジェフ・ベゾスは損益計算書上の赤字を気にしない人であった。

 フリーキャッシュフローはプラス、期末の現金および現金等価物は542億5300万ドルで同48.7%増、回転差資金は557億9600万ドルも出していて、キャッシュサイクルはマイナス27日と相変わらず財務上は無在庫である。この企業の基本的な強さには大きな変化は生じていない。

 ちなみにウォルマートの22年度末の現金および現金等価物は約86億ドルで、もちろんほかの大手小売企業よりも多い。それを桁違いに上回っているのがアマゾンということになる。

注視すべきAWSの成長減速

 さて既述のごとく売上高成長率が鈍化しているのだが、これが果たして経済や小売市場という外部環境によるものなのか、同社のビジネスモデルという内部環境によるものなのか

続きを読むには…

この記事はDCSオンライン+会員限定です。
会員登録後、DCSオンライン+を契約いただくと読むことができます。

DCSオンライン+会員の方はログインしてから閲覧ください。

関連記事ランキング

関連キーワードの記事を探す

© 2024 by Diamond Retail Media

興味のあるジャンルや業態を選択いただければ
DCSオンライントップページにおすすめの記事が表示されます。

ジャンル
業態