Z世代熱狂!2021のダブルイレブン注目カテゴリー「中古ラグジュアリー品」日本企業も参入
2025年には世界最大の高級品市場となる中国
「中国二手奢侈品市场发展研究报告2020」によると、2019年の高級品消費額はすでに1兆元(約17兆2,000億円)を超えて世界の約1/3の消費を担っている。2025年には世界最大の高級品市場になる予測だ。
以前はブランド品の購入には見栄やコレクション要素が強かったが、現在ではファッション業界の成長と共に、ブランドの歴史やストーリーに共感したうえでハイブランドを購入している層が一定数いる。そのファッション業界をけん引するのはZ世代であり、ハイブランドを定期的に購入する十分な収入はないため、中古ラグジュアリー品を求める動きが活発化している。
コストパフォーマンスだけではなく、個性やストーリーも求めている
Z世代が中古ラグジュアリー品を求める理由として、コストパフォーマンス以外に「自分らしさの追求」がある。冒頭の2021年のW11で「ニッチな香水」にも着目と上げた通り、Z世代はファッションや香水で個性を追い求めている。人と被らないアンティークや廃版モデル、中古品ならではの唯一無二のストーリーなどを理由に中古ラグジュアリー品が人気となっている。
中古ラグジュアリー品は一点ものであり、興味がなくなったとしても、一定の価格で再販できることも魅力の一つだ。Z世代にとってはかなり背伸びする消費だったとしても、売ることができるだろうと思うため、購入の心理的障壁が低くなっている。
日本中古ラグジュアリー品取り扱い企業の相次ぐ参入
日本の中古高級品店「RECLO」、「Brandear」、「BRAND OFF」が天猫国際(越境EC)に出店した。日本最大の中古高級品店「KOMEHYO」は北京漢美嘉誠国際文化投資有限公司と戦略的パートナーシップを結び北京に出店。「大黒屋」は上海に完全子会社の設立を発表など、日本の中古ラグジュアリー品取り扱い企業の参入がここ数年相次いでいる。
W11越境EC地域別流通総額ランキングでは、日本が2015年から5年連続1位を獲得しており、高い需要と人気を誇っている。さらに中古ラグジュアリー品は信頼の高さや状態の良さが重要であり、日本企業への期待も高い。2021年のW11で中古ラグジュアリー品を取り扱う日本企業がどのくらい売上を上げるか、業界の成長とともに注目である。
balconia Shanghai Ltd.
日系ブランドコンサルとして、上海に拠点を構え、ブランド戦略立案とクリエイティブ制作を提供する。多数のリサーチ案件を通じて消費者、マーケット動向を注意深く観察し、中国市場に合わせたブランドカルチャライズ®を数多く手掛ける。上海、東京、香港に拠点あり。
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