セブン&アイ、ニッセンにバーニーズと矢継ぎ早にM&A

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 国内最大の流通グループであるセブン&アイ・ホールディングス(以下セブン&アイ、東京都/村田紀敏社長)が積極的なM&A(合併・買収)に打って出ている。同社は12月2日、子会社のセブン&アイ・ネットメディア(以下ネットメディア、東京都/後藤克弘社長)を通じて、通販大手ニッセン・ホールディングス(以下ニッセンHD、京都府/佐村信哉社長)の普通株式を公開買い付け(TOB)により取得すると発表した。同日付けで、3社間で資本業務提携を締結済みで、ニッセンHDもTOBに賛同を表明している。TOBが成立した場合、ニッセンHDはセブン&アイの連結子会社となる。

 セブン&アイは、グループにおけるすべてのチャネルをシームレスに連携させながら顧客にアプローチしていくオムニチャネル戦略を推進していくなかで、通販チャネルで独自のノウハウと顧客基盤を持つニッセンHDの経営資源が相乗効果を生むと判断した。ニッセンHDの2012年12月期売上高は1776億1300万円(対前期比25.5%増)。

 2日後の12月4日には、米・高級衣料店バーニーズ・ニューヨークの日本法人であるバーニーズジャパン(東京都/上田谷真一社長)株式の49.9%を東京海上キャピタルの運営するファンドより取得したと発表した。バーニーズジャパンの筆頭株主で50.1%を保有する住友商事に次ぐ2位の株主となる。

 セブン&アイはグループ百貨店事業のそごう・西武において他店舗との差別化を図るためプライベートブランド商品を中心とする自主開発商品の強化に取り組んでいる。今後、バーニーズジャパンの持つ商品調達力や売場編集力などのノウハウを活用し、商品開発力を強化していきたい考え。百貨店事業と早い段階でのシナジー効果を期待している。バーニーズジャパンの13年2月期売上高は195億2200万円。

記事執筆者

ダイヤモンド・チェーンストア編集部 / 株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア

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