知っておきたいキーワード、リジェネラティブ・アグリカルチャーとは

文:松岡 由希子 (フリーランスライター)
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リジェネラティブ・アグリカルチャー

 リジェネラティブ・アグリカルチャー(Regenerative Agriculture)とは、土壌を修復・改善させることによって生物多様性を回復し、土壌の炭素貯留能力を高め、水循環の改善にもつながる農法で、「再生農業」や「環境再生型農業」とも呼ばれる。

 土壌の劣化は飲用水や食料生産をも脅かすおそれがあり、地球規模で取り組むべき課題のひとつとしてSDGs目標15(陸の豊かさも守ろう)にも明記されている。国連食糧農業機関(FAO)は「2050年までに地球の表土の90%がリスクにさらされるかもしれない」と警告する。

 このような観点から、リジェネラティブ・アグリカルチャーは、従来の工業型農業に代わる持続可能な食料生産の手段として有望視されている。小売業界では、その推進に向けて先進的に取り組む企業が現れ始めた。

 米ウォルマート(Walmart)は2023年7月、土壌や水質の改善に取り組む北米の農家を支援するため、米食品メーカー大手ペプシコ(PepsiCo)と提携し、今後7年で計1億2000万ドル(174億円:1ドル=145円で換算)を

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松岡 由希子 / フリーランスライター

米国MBA 取得後、スタートアップの支援や経営戦略の立案などの実務経験を経て、2008年、ジャーナリストに転身。食を取り巻く技術革新や次世代ビジネスの動向をグローバルな視点で追う。

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