実は価格でも負けてない!平和堂の対生鮮ドラッグ戦略とは
近畿、北陸、東海エリアで事業展開する平和堂(滋賀県/平松正嗣社長)。とくに東海・北陸エリアはここ数年フード&ドラッグの猛攻が続いており、激しい競争にさらされている。そうしたなかで平和堂が“勝ちパターン”と見るのは、同社がこれまでもこだわり続けてきた「差異化」の取り組み。ドラッグストア(DgS)の侵食を許さない価格、品質、品揃えの差異化に注力している。
綿密な競合調査を行い、価格も「徹底対抗」
平和堂の商勢圏では異業態を含む競合店が増えており、競争が激化している。とくに、生鮮をフルラインで扱うGenkyDrugStores(福井県/藤永賢一社長)やクスリのアオキホールディングス(石川県/青木宏憲社長)、日配・加工食品を中心に強烈なディスカウントを行うコスモス薬品(福岡県/横山英昭社長)など、食品強化型のドラッグストア(DgS)の代表格と出店エリアが重複。価格、品揃えで厳しい競争を繰り広げている。
そうしたなか平和堂は、これらDgSの動向を綿密に分析し、具体的な対抗策に落とし込んでいる。たとえば、同社では競合するDgS店舗について、食品のラインアップの度合いに合わせて3つのタイプに分類。①DgS商材に加えて菓子、飲料を中心に扱うタイプ、②菓子、飲料、さらに加工食品、日配まで販売するタイプ、③生鮮食品までをカバーするタイプ、である。そのうえで自社店舗の与件と合わせて戦略を練るわけだが、①~③のタイプにかかわらず前提として取り組むのは価格政策である。
具体的には、菓子以外のカテゴリー(とくにカレールウ、カップラーメンなどの加工食品、砂糖、醤油などの調味料、乾物系など)における売れ筋商品については、競合するDgSがEDLP(エブリデー・ロープライス)であろうと、ハイ&ローであろうと、最低価格と同一あるいはその下をくぐることを目標に掲げる。
そして継続的な価格調査を行い、対象商品の価格についてDgSの価格訴求が緩やかな非食品の売れ筋アイテムについては6割以上、加工食品、日配品については6割の商品で価格対抗することをめざしているという。こうした戦略的低価格を打ち出す商品については、
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