「消費をしない」SDGs時代、多角化と集中化どちらを選択するべきか? 

河合 拓
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不確実性の高い時代、われわれは事業の「多角化」と「集中化」のどちらを取るべきだろうか?DXとESG経営一色の時代、消費者の「消費をしない」という選択も、アパレルビジネスに大きな影響を与える。業界を取り巻く諸問題を俯瞰した上で、その答えを導き出したいと思う。

Hermès Archive(筆写撮影)
Hermès Archive(筆写撮影)

エルメスの中古品が渋谷で蘇る

 先日、渋谷スクランブル・スクエアに立ち寄ったところ、「Hermès Archive」と命名されたスーパーブランド「Hermès」の中古品とおぼしき商品を見事に陳列したポップアップストアが目に入った。フランスでは一般的だといわれている高級中古衣料品の直しと再プレスによる陳列、そして、Archiveという見事な名前に目を奪われ、「撮影可」の文字を見て思わずシャッターを切っていた。

「自動車産業でも中古品市場がある。衣料品市場でも必ず二次流通市場が大きく成長する」と叫んでいたのが一年も経たぬ前だったが、恐ろしいスピードで時代が変化している様を感じた瞬間だった(写真は筆者撮影、ポップアップはKOMEHYOTSUNAGUをテーマに実施)。

今、世の中はDXESG経営一色だ。私を含め、多くの人が先行きの見えない世の中で、道しるべとなる「答え」を探している。だが、企業が売上・利益を伸ばし、より豊かになることが唯一解だった私たちにとって、その答えにたどり着く前に、大きな壁に阻まれているのが実情だ。
ともすれば、私たちの経済活動そのものが、私たちの生存さえ脅かすのではないかという、二律背反するものへ答えを求めるものである。正解を導き出すことが極めて難解な理由は、不可逆的に「発展」する私たちの生活を元に戻すことは極めて難しいからである。

 多くのアパレル企業が業績悪化に苦しんでいるが、苦悩の論点はハッキリしている。それは、バブル崩壊までの唯一解だった「より大きな売上」と「よりたくさんの利益」を求めることが、今は反作用を起こし、地球環境を大きく破壊しているという事実にいかに向き合うかということだ。

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