アジアの成長を内製化!越境ECは生存戦略である理由と2つの成功ポイントとは
縮小する日本市場。ユニクロとg.u.(ジーユー)、グローバルSPAが押さえ込んでいる現状をみると、多くのアパレルは他に目を向けなければ生き残りは難しくなる。そこで今回は、中国のSheinモデルを使った、越境ECで成功するためのビジネスモデルを提案したい。
ユニクロにも異変か!?アパレルの経営環境激変
縮小する日本市場では、嗜好品であるファッション商品を売ることが極めて難しくなっている。盤石のビジネスモデルに見える無敵のユニクロでさえ、いわゆる成長期と今では状況は変わってきた。ワンブランドで7000億円という売上を独占する同ブランドへの消費者ニーズの変化が起きているように見えるのだ。
ユニクロが成長してきた黎明期は、圧倒的なコスパによって市場を席巻していたが、最近はSDGsのもと「服を捨ててはならない」「余分な服は買ってはならない」という暗黙のプレシャーが消費者に襲いかかり、また、日本という国の生活者の実質賃金低下により、結果的に値ごろ感のあるベーシック衣料を長く着るという風潮からユニクロが選ばれているように思う。
また、装飾的な商品で身を飾りたいのであれば、同じグループのg.u.やSheinなど、圧倒的コスパを実現したファッション衣料を求め、ファッショニスタはゾゾに生息するD2Cブランドを選ぶなど、
さて、こうした経営環境下において、中間価格帯である日本のアパレル産業の成長戦略について、ある仮説を提案したい。これは再三、筆者の論考に登場した中国モンスター企業「Sheinの逆モデル」である。
河合拓のアパレル改造論2021 の新着記事
-
2022/01/04
Z世代の衝撃#4 Z世代を追えば敗北必至!取るべきトーキョー・ショールーム・シティ戦略とは -
2021/12/28
Z世代の衝撃#3 既存アパレルが古着を売っても失敗する明確な理由とは -
2021/12/22
インフルエンサー・プラットフォーマー「Tokyo girls market」驚異の戦略とは -
2021/12/21
プラットフォーマー起因の歪な過剰生産が生み出す巨大ビジネス、SheinとShoichi -
2021/12/14
Z世代の衝撃#1 ライブコマースで「インフルエンサー・マーケティング」が失敗する衝撃的理由 -
2021/12/07
TOKYO BASEがZ世代から支持される理由と東京がショールーム都市になる衝撃
この連載の一覧はこちら [56記事]
関連記事ランキング
- 2024-12-10ワールドが三菱商事ファッション買収!進むアパレル垂直統合、2つの課題とは
- 2024-11-19ユニクロ、開始から7年で明らかになった有明プロジェクトのいまとすごい成果
- 2024-11-26イタリア繊維産業に学ぶ、高くても売れるビジネスの秘密とは 染めと売り方が段違い
- 2024-12-03ユニクロ柳井会長がウイグル綿花不使用発言に至った理由と影響、その複雑な背景とは
- 2024-11-13値上げしたのにアパレル業界が利益に結び付かない2つの理由
- 2021-11-23ついに最終章!ユニクロのプレミアムブランド「+J」とは結局何だったのか?
- 2024-09-17ゴールドウイン、脱ザ・ノース・フェイス依存めざす理由と新戦略の評価
- 2023-08-08EC時代にスクロールとベルーナだけ好調 生き残るカタログ通販、死ぬカタログ通販
- 2024-11-12アパレルは「個人売買」「古着」が、今後驚くほど拡大する理由
- 2024-09-03アローズにビームス…セレクトショップの未来とめざすべき新ビジネスとは