売上高2000億円、営業利益率5%へ 地場SMになりきる=マルナカ平尾 健一社長
──総菜以外で強化している部門はありますか。
平尾 グロサリーです。従来、マルナカではNB(ナショナルブランド)を中心に、ベーシックな品揃えしかしていませんでした。しかし同カテゴリーにおいても、地場メーカーによる商品を徐々に広げています。菓子では米菓や豆菓子、調味料では醤油や味噌といった商品を取り入れています。こちらもお客さまから好評で、さらに品揃えを充実させていく方針です。こうした取り組みを強めることで、競争が激化するなかでもシェアを上げられると考えています。
──マルナカが得意とする生鮮食品は、どのように取り組む考えですか。
平尾 生鮮素材でも、総菜のようにすぐに食べられるように商品を工夫することで、新たなカテゴリーや商品群をつくっていきたいと考えています。たとえば17年11月にリニューアルオープンした「マルナカ柿原店」(徳島県阿波市)では、新鮮なオーガニック野菜を原材料にしたジュースやスムージーがその場で楽しめるコーナーを新たに導入しました。野菜は有機にこだわり、添加物は一切加えていないため、味はもちろん健康志向のお客さまに喜んでいただいています。
17年10年に新規出店した「マルナカ松福店」(香川県高松市)の鮮魚部門では、地場漁港で水揚げされた魚をその日に加工し、寿司のほか焼き魚、南蛮漬けなど魚総菜にして提供しています。生鮮食品については、こうした新鮮な商品の総菜化により競合店にはない独自の商品、売場を広げたいと考えています。
──現在、どのようなタイプの店舗を展開していますか。
平尾 当社には、大きく分けて3つのフォーマットがあります。まず売場面積5000~1万㎡の大型店で、「パワーシティ」という名称で展開しています。食品のほか住居関連品、衣料品の取り扱いもあり、主要都市で展開しています。2つめは同1800~3000㎡の中型店、そして3つめが同1000㎡規模の小型店です。これらを各地の商圏や競合状況などを見ながら使い分け、店舗網を拡大してきました。
──新規出店についてはどのように考えていますか。
平尾 近年はそれほど積極的には出店しておらず、17年2月期は1店、18年2月期は2店にとどまっています。今後については大型店の新規出店はせず、すでにある大型店の周囲に小型店を出し、ドミナントを深耕していきます。当面は本部のある高松市、さらに徳島市、松山市といった主要都市を優先的に進めます。現在、物件を探し始めており、2~3年後からは新規出店のペースを上げる計画です。
──既存店はどのように活性化しますか。
平尾 私が社長に就任した当時、平均店舗年齢は18年と古い店が多く、改装に力を入れているところです。大型店を含め、売上高の上位店を優先して進めており、17年2月期は6店、18年2月期は10店のリニューアルを済ませました。今後は毎年、十数店舗のペースでテコ入れをし、大小の規模はありますが、数年内にほぼ全店の活性化を図る考えです。
小型店でもレストスペース「休憩処」を設置
──改装のポイントは何ですか。
平尾 総菜やグロサリーの売場を広げ、品揃えを充実させている点です。もう一つのポイントはレストスペースで、当社は「休憩処(きゅうけいどころ)」という名称で設置しています。これからのSMは、物販だけでなく、地域のコミュニティの場の役割も果たすべきだと考えています。比較的、規模の大きい店だと100席、最近出した「マルナカ屋島店」は売場面積300坪の小型店ですが、50席を確保しました。
また、インストアベーカリーも積極的に取り入れています。これも即食の切り口で、お客さまの来店動機になればと期待しています。