ファミリーマート、無人決済店舗でねらうマイクロマーケットの鉱脈

ダイヤモンド・チェーンストア編集部
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コンビニ大

今、コンビニエンスストア(CVS)各社がデジタルの力を借りて積極的に推進しているのが、店舗の省人化だ。その中でもファミリーマート(東京都/細見研介社長)は、無人決済システムの開発を行うTOUCH TO GO(東京都/阿久津智紀社長、以下TTG)と資本業務提携を結び、多店舗化可能な無人決済店舗の開発を急ピッチで進めている。

驚異の認識率95% 無人決済実用店の全貌

 2021年3月、ファミリーマートは無人決済店舗「ファミマ!!サピアタワー/S(サテライト)店(以下:サピアタワーS店)」(東京都千代田区)をオープンした。同店は、TTGとの資本業務提携による無人決済店舗実用化第1号店だ。TTGの無人決済システムはこれまでにも、JR山手線「高輪ゲートウェイ」駅(東京都港区)構内の無人決済売店、同「目白」駅(同豊島区)構内の無人決済スーパー「KINOKUNIYASutto」などで導入された実績を持つ。

ファミリーマート サピアタワーS店外観
サピアタワーS店外観。入口ゲートから入り、商品を手に取って会計すれば、出口ゲートが開いて出られるようになる仕組みだ

 無人決済の仕組みはこうだ。入口ゲートを通って売場に入ると、売場の天井に取り付けられた48台のセンサーカメラがお客を追跡する。あらかじめ登録された棚割とカメラからの情報をもとに、お客が手に取った商品を割り出す仕組みだ。レジの前に立つと、手に持っている商品の一覧が表示され、合っていればそのまま会計し、間違っていればその場でお客自身が修正してから会計する。ただし、商品認識率(お客が手に取った商品が正しく判定される率)は平均で95%と極めて高い水準にまで達しており「認識できないケースは、抱っこされた子供が商品を手に取った場合や、お客さま同士が店内で商品を受け渡した場合などかなり限定的」(TOUCH TO GOの阿久津智紀社長)だという。

 決済方法は、クレジットカードもしくは交通系ICカードによるキャッシュレス決済のほか、現金払いにも対応する。いずれにせよ、通常の買物は無人で完結する仕組みだが、店舗自体が完全に無人なわけではない。品出しや商品管理のためのスタッフが常時1人バックヤードに待機する。どの時間帯でも最低2人のスタッフが必要とされる通常の店舗と比較すると、大幅な人件費削減が期待できそうだ。

 もう1つ特徴的なのが、

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