ドラッグストアの針路 #8 イオン主導によるドラッグストア再編の可能性

森田俊一(流通ジャーナリスト)
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マツキヨココカラ&カンパニーの売上目標は「高すぎる」?

 そんな見方を覆す要因があるとすれば、2021年10月のマツモトキヨシHD(千葉県)とココカラファイン(神奈川県)の経営統合だろう。両社は統合後、「マツキヨココカラ&カンパニー」となり、2026年3月期までに売上高1兆5000億円の達成を目標に据える。

 この目標について業界では、「自力で達成をめざすのはハードルが高すぎる。明らかにどこかのチェーンを取り込むことを考えている」と観測されており、数千億円規模の上位企業との提携を画策している可能性も考えられる。

 だが、ドラッグストア業界再編のキャスティングボードを握っているのは、やはりイオンではないだろうか。

 2020年3月にイオンの岡田元也氏は代表権のある会長となった。岡田会長は社長交代の会見で、今後は吉田昭夫社長がほとんどのことを担当するとし、自らの役回りについては「(一段と)グループ力を発揮できるようにしていきたい」と意味深な発言をしている。

 もちろん、岡田会長のこの発言はイオンが資本参加しているドラッグストアを直接指したものではないだろう。しかし、イオンにとってプラスになり、ウエルシアとツルハの両社にもプラスになるのであれば、可能性はゼロではない。

GMS、SC、そしてドラッグストア

 実際、イオングループでは、食品スーパーやGMS(総合スーパー)を地域単位で統合している。ドラッグストア市場規模はすでに百貨店を抜き去り、コンビニに代わる小商圏の有力業態の候補となりつつある。

 これまでもイオンは「ショッピングセンターの時代が来ると」して、それまでGMSの主戦場だった全国の一等地や駅前とは真逆の郊外に大規模なSCを開業し、時代の変化に対応してきた。次なる成長業態としてドラッグストアに期待しているのは間違いないだろう。

 現在の局面では、イオンがグループのドラッグストアを再編する可能性は極めて低い。しかし、マツキヨココカラ&カンパニーの誕生が業界を揺るがす新たな動きを誘発する可能性も十分に考えられる。

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