ドラッグストアの針路 #7 現在の約3倍!ドラッグストアは20兆円産業となるか

森田俊一(流通ジャーナリスト)
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ドラッグストアが食品スーパーやコンビニからシェアを奪取し、向かうところ敵なしの様相を呈している。今年1月には、日本チェーンドラッグストア協会の池野隆光会長が「10兆円はおろか20兆円も現実味をおびてくる」と発言、波紋を広げている。ドラッグストアの市場規模は現在7兆円半ばであり、20兆円となると現在の3倍近くにもなる。ドラッグストア20兆円市場は現実のものとなるのだろうか――。

写真は都内のドラッグストア前で2015年12月に撮影(2019年 ロイター/Yuya Shino)

市場規模は10年で1.4倍に

 流通の業界団体が集計している2020年の年間売上高をみてみよう。日本百貨店協会が公表している百貨店の売上高は、対前年比25.7%減の4兆2204億円。コロナ禍が直撃した格好だ。日本フランチャイズチェーン協会が発表したコンビニエンスストアのチェーン全店売上高は、同4.5%減の10兆6608億円と前年を下回っている。日本チェーンストア協会が集計している食品スーパーの売上高は、同0.9%増の12兆7597億円と微増にとどまっている。

 これに対し、ドラッグストアはどうだっただろうか。日本チェーンドラッグストア協会の調べによると、19年度は5.7%増の7兆6859億円。09年のドラッグストアの市場規模は5兆4430億円であり、10年間で約1.4倍に拡大した計算だ。20年度はコロナ禍で市場拡大に弾みがついたとみられている。市場規模としてはまだ食品スーパー、コンビニに後塵を拝するが、伸び率はどの業態よりも高く、ほかの小売業態の苦戦を尻目に急ピッチで市場を膨らませている。

 流通業界ではこれまで、百貨店のシェアを食品スーパーや専門店が奪い、食品スーパーのシェアをコンビニが奪取し、それぞれ市場を拡大してきた。このような足跡をドラッグストア市場もまたたどっている。

 ドラッグストアの市場規模10兆円、20兆円への道のりは、食品スーパーやホームセンターの売上高を取り込んでいく可能性が高い。また、大手コンビニの首脳が認めるとおり、ドラッグストアはコンビニからも顧客を取り込んでおり、その影響は広範囲におよぶ。

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