創業50周年に向け、中期経営計画をスタート=フジ 尾崎英雄 社長

聞き手:下田健司
構成:森本 守人 (サテライトスコープ代表)
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おいしい食べ方を積極的に提案

──ここ数年、「エフ・マルシェ」を冠する店舗を出店してきました。

尾崎 12年11月に「エフ・マルシェ古川店」(愛媛県松山市)、14年4月には「瀬戸内海響市場 エフ・マルシェ」(同)をオープンしました。前者は、おもに青果物、後者は海産物を扱う、生鮮食品に特化したSMの新フォーマットです。地域の産業やお客さまと、より密接に関わりながら地産地消・地域交流を促進することが目的で、生産者や産地と連携、鮮度の高い商品を提供しているのが特徴です。

 現在2店舗を営業していますが、同様の店を増やす計画はありません。すでに生産者とのつながりができてきましたので、そのノウハウを生かし、今後はSMの店内に1つのコーナーとして組み込みたいと考えています。

──産地との連携を強めた生鮮食品は、他店との差別化策にもなりますね。

尾崎 とくに当社は、中・四国エリアで事業展開するリージョナル・チェーンですから、愛媛県の商品を広島県で販売する、あるいはその逆といったように、各地の「食」を相互に紹介できます。単に珍しい商品を販売するというだけでなく、食文化を広げられるのが当社の強みです。これにより、お客さまの満足度を上げて、結果的に他社との差別化につなげていきたいと考えています。

 中期経営計画では、SM事業のビジョンとして「食生活提案型SM」を掲げ、おいしい食べ方や楽しい場面をお客さまに想起してもらえるような売り方をめざしています。

 じつは最近、夏に浴衣がよく売れるのですが、調べると各地で地域の祭りを復活させる動きがあることがわかりました。つまり、生活でそういう場面があるからニーズが生まれる。「食」についても、積極的にライフスタイルを提案することで、お客さまからの支持を獲得したいと考えています。

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構成

森本 守人 / サテライトスコープ代表

 京都市出身。大手食品メーカーの営業マンとして社会人デビューを果たした後、パン職人、ミュージシャン、会社役員などを経てフリーの文筆家となる。「競争力を生む戦略、組織」をテーマに、流通、製造など、おもにビジネス分野を取材。文筆業以外では政府公認カメラマンとしてゴルバチョフ氏を撮影する。サテライトスコープ代表。「当コーナーは、京都の魅力を体験型レポートで発信します」。

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