ホームセンターの“同質化”はなぜここまで進んだのか?好調企業の共通点は革新と差別化
モノマネに頼らない好調企業
ただし、成熟した市場の中でも好調企業は存在する。好調企業の共通項をくくっていくと、沿革のどこかで大きな革新を果たし、新しい戦略フィールドを創造し、新しいフォーマットを開発している。安易なモノマネをせずに、ディファレント(差別化)ストアづくりに力を注ぎ、飽和していない市場を獲得してきたことが、成熟市場の中での好調の礎となったのだ。
ここにきて好不調企業の格差は大きく開いている。新型コロナの特需に甘んじることなく、デジタル投資を推進し全く違うステージを目指す企業もある。プロ需要や農家需要の本格的な奪取に邁進する企業もあり、ホームセンターの市場自体は再び上昇気流に乗りそうな兆しだ。しかも、ニトリホールディングス(北海道/白井俊之社長)による島忠(埼玉県/岡野恭明社長)買収や、アークランドサカモト(新潟県/坂本雅俊社長)によるビバホーム(埼玉県/渡邉修社長)の買収という具合に寡占化が進み、1社の規模はどんどん大きくなっている。こう見ていくと、ホームセンター市場は、米国同様、最終的には5社から2社くらいの元気のよい企業による寡占マーケットになるかもしれない。
ここまでホームセンター市場の約50年を簡単に振り返ってきたが、この中にはどんな業界にも通用する普遍性が含まれていることを指摘しておきたい。