イノベーションの5段階ピラミッド 競争優位を保つためにはどのような種類のイノベーションが必要か

千田直哉
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米国のコンサルタント企業「Strategos」の創業者でロンドン・ビジネス・スクール大学客員教授のゲイリー・ハメル氏は、イノベーションをピラミッドのような多層構造としてとらえ、5種類に分類して言及している。

istock/metamorworks

オペレーション、製品・サービスのイノベーションは長期的優位にはつながらない

 その最下層に位置付けるのは、オペレーション上のイノベーションである。
 大事なことではあるのだが、オペレーションでいくら頑張っても同業他社と長期的な競争優位は確保できないとしている。私なりに小売業に当てはめる(以下同)と、「バックヤードの整理・整頓」、「従業員のマルチジョブ化」、「コンセッショナリー(名前を出さない専門店)導入」などを挙げることができる。

 次の下から2番目のイノベーションは、製品・サービスについてだ。これは画期的な製品やサービスの開発を意味する。小売業では「プライベートブランド商品開発」、「棚割チェックロボット」、「ネットスーパー」、「宅配ロボット」などをサンプルとして挙げることができる。
 ただ、ハメル氏によれば、「今日、こうしたイノベーションは6ヶ月も経てば、真似されてしまう」という。

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