ホームセンターの“同質化”はなぜここまで進んだのか?好調企業の共通点は革新と差別化

千田直哉
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セイムストア化が招く過剰な価格競争

カインズはSPA化で脱同質飽和化を10年以上に渡り突き進んでいる
カインズはSPA化で脱同質飽和化を10年以上に渡り突き進んでいる

 だが、セイムストア自体は「悪である」と一刀両断できない側面がある。競合がない状態であれば、市場の成長カーブに便乗して、セイムストアも日の出の勢いで成長できたからだ。

 しかし、2000年の大規模店舗立地法施行を機に出店数は激増し、2019年度の店舗数は4812店舗に上る。日本の人口を1億2000万人として計算すると、1店舗当たりの2万5000人。平均的なホームセンター店舗の必要商圏人口は5万人といわれているので、数字的にはもうセイムストアを出店する余地はない。むしろセイムストアの半分は、計算上は必要ないことになる。

 実際、セイムストアづくりに一意専心してきた企業の業績は芳しくない。ホームセンターは、市場勃興期にGMS(総合スーパー)の死に筋を集めてできたフォーマットだ。しかし近年は、効率経営を持ち込み、すべての消費者に平等に目を配ったことで最大公約数としての品揃えをしたことで、品揃えは広く薄いものになってしまった。すなわち、現在、ホームセンター市場は総合化という名のセイムストア化が起こっているのである。

 同質化の中で唯一効果が上がるのは安売りだ。各企業が隣接する競合企業の価格をチェックしながら、闇雲な価格ダウン競争が行われている。だが、安売りにも限界がある。しかも、安くしても、いらないものは売れない時代に突入している。

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