巨人軍の名将・川上哲治氏著の『遺言』からリーダー・ビジネスマン向けの選りすぐりの金言を紹介 

千田直哉
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タレント本流行りのご時世で、猫も杓子もちょっと有名になると自伝や自説を単行本として刊行する。それが、ある程度の販売部数実績を残すものだから、二匹目のドジョウ狙いでまた違うタレントを見つけてきては、出版する――。出版業界に身を置きながらも、思わず首をひねってしまう不思議な連鎖が続いている。タレント本に感化されたかどうかは、分からないが、同じように多くの単行本が出回っているのは、スポーツ選手である。書店に行けば、「あら、この選手まで…」という感じのメジャー領域にまでは達していないと思しき選手の単行本まであり、スポーツ選手本も花満開の状況が続いている。

istock/YakobchukOlena

 そんな有名人本に先駆けて、ひと際素晴らしい輝きを放っていたスポーツ選手の本があった。

 「赤バットの川上」「巨人軍V9の指揮官」で知られる川上哲治さんの『遺言』(2001年5月、文藝春秋刊)だ。たぶんこうした秀書が元になって、いまの有名人本ブームに繋がっているのだろう。

「遺言」の表紙

 監督通算1066勝(1866試合)。昨年、読売巨人軍の監督としての勝利数は、原辰徳現監督に抜かれてしまったが、巨人軍を9年連続で日本一の座に導いたことはオールドファンにとっては伝説だ。監督在籍15年間で日本シリーズ優勝通算11回は、南海ホークスの鶴岡一人さんと並んで歴代最多。巨人で最多勝の原監督は3回に過ぎない。

 さて、『遺言』の内容であるが、全文が意味と価値のある金言だ。だから、私の所有する『遺言』は、気に入ったフレーズにつけたマーカーだらけである。転居にともない『遺言』を読み直し、マーカーの中でもさらに、選りすぐった言葉を以下に列挙してみたい。

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