オーケー、テンアライド、セコム 起業家兄弟を育てた父・飯田紋治郎の教え
オーケーの快進撃
オーケーの以後の快進撃は、知られる通りだ。
早くからコンピュータを活用した経営やスペースマネジメント、自動発注システムを導入して、オリジナリティに溢れる小売流通業界のイノベーターとして注目を集めた。
現在は118店舗を展開。2019年3月期の売上高は3936億1700万円(対前期比10.2%増)、経常利益は188億9900万円(同27.6%増)とこの規模の企業では考えられない成長カーブを描いている。
さてさて、この話はまだ終わらない。
少年を株の売買に走らせた父の名前は、飯田紋治郎。5男の父親だった。
飯田勧さんは、その3男であり、ほかの4人の兄弟も同じく「実業の方がよっぽどいいんだぞ」という父の薫陶を受け、育ったと推察できる。
実際、長兄飯田博さん(故人)は、父の事業である岡永の後継者として活躍した。
次兄飯田保さんは、居酒屋「天狗」などを運営する東証1部上場のテンアライド(https://www.teng.co.jp/)の創業者となった。
さらに、五弟飯田亮さんは、国内首位の警備サービス業で同じく東証1部に上場するセコム(https://www.secom.co.jp/)の創業者である。
次兄と五弟は、相互にまったく関係のない上場企業を創業したということで、上場当時にはマスコミで盛んに取り上げられずいぶん話題となった。
もしオーケーが上場するようなことがあれば、紋治郎さんは、上場企業を立ち上げた起業家3人の父ということになる。