日本人の生活を服で変えるも「選択肢」を奪った!?ユニクロの功罪とは
ファーストリテイリングが全社をあげてサステナビリティファッションに力をいれていることは、私はよく知っている。そして日本人も少しずつその活動を知るようになってきただろう。
一方で、ファーストリテイリングの売上は大きすぎるため、例えば衣料品の在庫を燃やすカーボンや、糸を染めるときに使う有害物質などの量も桁違いに大きくなる。
大きくなると敵は「国家」となる。とくに欧州諸国を相手にビジネスをするときには注意が必要だ。
自分自身で環境問題に対する確固たる哲学を持ち、例えば売上・利益のトレードオフが発生した時、広く世の中を見て意思決定ができるかという部分が大事なのだ。
ユニクロの罪3 消費者の選択肢がなくなった
最後は、ユニクロの責任とは言えない部分もあるのだが、指摘しておきたい。あまりに勝ちすぎ、あまりに成長してしまったため、国内で健全な競争が生まれてこない、つまり、消費者は最初からユニクロ一択になってしまっている点だ。
それがなぜ罪なのかといえば、消費者は企業同士が競争し、切磋琢磨することで良い服を手にすることができるからだ。
今の「ユニクロ一強、その他は、、、」というアパレル業界の構図は、結局は消費者にとってよいことではない。
いっそ、輸入税をとりはらい、外資のアパレルをどんどん入れてみるという手もあるだろう。いずれにせよ、今ユニクロが独占しているように見えるアパレル産業を消費者目線でみると違った見え方ができるということだ。
さあ、どうだろうか。功罪というテーマでユニクロに対する考察を書いたが、私たちは数字の裏にあるストーリー、つながり、経営環境を定性的にもっと分析する必要がある。ユニクロは研究し尽くし、学ぶものは少ないと考える人もいるだろう。
しかし改めて高い視点で同社の過去と未来を考察すれば、今我々が見ているユニクロとは全く違うユニクロが見えるのではないだろうか。
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プロフィール
株式会社FRI & Company ltd..代表 Arthur D Little Japan, Kurt Salmon US inc, Accenture stratgy, 日本IBMのパートナー等、世界企業のマネジメントを歴任。
著作:アパレル三部作「ブランドで競争する技術」「
筆者へのコンタクト
https://takukawai.com/contact/
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