ローソン 新春インタビュー 竹増社長が見据える「次世代のコンビニ」とは

「ダイヤモンド・チェーンストア」編集部
Pocket

──次世代のコンビニエンスストアのあり方をどのように 考えていますか。 

竹増 昭和と平成の時代では、コンビニエンスストアは全国一律で、平準化さ れたサービスを展開できる基盤の構築に力を注いできました 。しかし今の令和の時代では、それではお客さまに満足いただけま せん。

 デジタル活用についても、都心部にある大手IT企業内では、静脈認証などを活用した無 人店舗でもよいかもしれません が、地方の高齢化が進む地域では、そのような店は逆に不便と感じられてしまうでしょう。

 そうしたなか 、店舗 を支える物流やシステム基盤をデジタルの力で進化させて、店舗形態や 提供できるサービスの選択肢を増やし、その街や個店に合った かたちで使い分けて提供していけるのが次世代コンビニエンスストアモデルではないでしょうか 。

深夜時間帯の無人営業
の実験店で見えたこと

ローソンは人手不足対策として、他社に先駆けデジタル活用に投資を進めてきた
ローソンは人手不足対策として、他社に先駆けデジタル活用に投資を進めてきた

── デジタル活用による、人手不足対策のための省人化の実験も積極的に行っています。19 年8月からは、神奈川県横浜市の店舗で、深夜時間帯(深夜0時から午前5時)における無人営業の実験を行っています。 

竹増  同店の仕組みは、専用アプリ上のQRコードなどにより店舗のドアを解錠し、セルフレジまたは、商品バーコードをセルフスキャンし決済まで行う専用アプリ上の機能「ローソンスマホレジ」で精算したうえで退店できるようにすることで 、売場における無人化を実現するというものです(※ バックヤードでは従業員が1人 勤務)。

 実験で明らかになったのは、 お客さまが必要な商品を提供できなければ利用につながらないということです 。同店では、現在の仕組みでは年齢認証ができないため、深夜時間帯に酒やたばこなどを販売していません。結果、同時間帯の来店客数は実 験前の約30人から5人ほどに減ってしまいました。

 今後は、顔認証をはじめとしたデジタル活用により、無人でありながらも、法律を順守しながら 酒やたばこなどの商品も販売できるような 仕組みを構築したいと考えています。

1 2 3

関連記事ランキング

関連キーワードの記事を探す

© 2024 by Diamond Retail Media

興味のあるジャンルや業態を選択いただければ
DCSオンライントップページにおすすめの記事が表示されます。

ジャンル
業態