無慈悲な競争力の源泉は?コスモス薬品、進む地域完全制圧と付け入る死角

雪元 史章 (ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長)
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PB強化で食品の品揃え拡大

 他方で、特徴の②で挙げたように、国内小売業界においてコスモス薬品は、食品強化型DgSのパイオニア的存在としてのイメージも強い。食品スーパー(SM)やコンビニエンスストアにはまず真似できない低価格で食品を提供することによって、まずは集客力を向上。化粧品や医薬品など粗利率の高い商品群をそこに組み合わせることで売上・利益を確保するという、いわゆる「フード&ドラッグ」業態の代表的なチェーンである。

 昨今はプライベートブランド(PB)の開発にも力を入れており、日配・加工食品を中心とした「ON365」、チルド・冷凍総菜の「おいしい惣菜」、日用雑貨と一部食品の「StandarDay」の主に3ブランドを展開。PBが品揃えに加わることによる、他のフード&ドラッグとは一線を画した「商品選択肢の豊富な売場」も、コスモス薬品の大きな武器になっている。

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記事執筆者

雪元 史章 / ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長

上智大学外国語学部(スペイン語専攻)卒業後、運輸・交通系の出版社を経て2016年ダイヤモンド・フリードマン社(現 ダイヤモンド・リテイルメディア)入社。企業特集(直近では大創産業、クスリのアオキ、トライアルカンパニー、万代など)、エリア調査・ストアコンパリゾン、ドラッグストアの食品戦略、海外小売市場などを主に担当。趣味は無計画な旅行、サウナ、キャンプ。好きな食べ物はケバブとスペイン料理。全都道府県を2回以上訪問(宿泊)。

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