イオン九州、トライアル……九州小売13社が”横連携”する前代未聞の物流プロジェクト発足!

雪元 史章 (ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長)
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「イオンだけで」ではなく、「地域のなか」で連携することも重視

イオン九州の柴田祐司社長
イオン九州の柴田祐司社長

 他方で、イオン九州はイオン(千葉県)グループの一員であり、当然ながら同グループが推進している物流戦略の一端を担う存在でもある。イオングループの企業として、かつ九州物流研究会の幹事メンバーとして、物流戦略をどのように舵取りしていくのだろうか。

 これについて柴田社長は次のようにコメントした。

 「岡田(卓也イオン名誉会長)からよく言われるのは、『(物流の)機能会社に一任して、(グループの小売事業会社が)何も考えなくなっている』ということ。その意味で、九州だからこそできることがあるのではないか考えている。もちろん、手塚(大輔イオングローバルSCM社長兼イオン執行役物流担当)とも話をしながら、齟齬が起こるようなことはしない。しかし『イオンだけで全部できる』と考えるのではなく、地域のなかで連携できるのであれば連携していく。そうしてみんなでコストを下げていければ、それをお客さまに還元できる」

まずは福岡県内でイオン九州とトライアルが共同配送実験を開始へ

 九州物流研究会の今後の具体的なプロセスとしては、まずイオン九州とトライアルの2社が福岡県内で共同配送の実験を行う予定。当初はグロサリーなど常温商品を実証実験の対象とする。そこで得られた結果を研究会の他の参画企業と共有しながら、配送効率の向上を図っていく考えだ。また、物流効率化のための各社共通のデータ基盤をつくることも検討する。

 もっとも、壮大なプロジェクトゆえに一定の時間は要する。「とくにデータ基盤の部分はセンシティブな側面もあり、構築には2年くらいのタームで進めていく。今からやらないと2024年には間に合わない。自動車業界や経済産業省など関連分野・省庁などからも知恵をもらっていきたい」と柴田社長は抱負を語る。

 九州という1つのエリアで競合する小売企業が10社以上集結し、物流DX・物流効率化という共通の課題に向き合い、解決に向けて動き出した九州物流研究会。取り組みはスタートしたばかりだが、その一挙手一投足に全国から注目が集まることになるだろう。

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