社長はYouTuber? 佐賀県のローカルスーパー「ファインズたけだ」が日本一面白いワケ

棚橋 慶次
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ローカルスーパーがこれだけはやっておくべきデジタル施策

 デジタル面で遅れを取りがちなローカルスーパーが、いわゆるデジタルマーケティングを考えるとき、どこから手を付けるべきかについて竹田氏はGoogleでのビジネスプロフィールの充実を挙げる。これは、Googleマップや検索結果で表示される店舗情報などのことで、「デジタルのことが何もわからなくても、これだけは必ずやっておくべき。特にコロナ禍で営業時間が短期的に変わる今、まず検索してから店を訪れるお客さまは非常に多い」と話す。

社長の竹田智史氏(右)と、実弟で副社長の温史氏(左)

 次に、「今、生き残っているローカルスーパーには、大手にはできないイベントや商品など何かしらの強みが必ずあるはず。それをよく掘り下げてみることが大切」(竹田氏)だという。ファインズたけだの場合には、それがユニークな店内アナウンスや、動画配信以前から行っている「ラーメン積み上げ大会」「半額シールを貼りまくるじゃんけん大会」などのオリジナルイベントだった。この強みを認識し、動画という形に昇華させたことが、SNSマーケティング成功の要だったと言っても良いだろう。

 竹田氏は今、次なる研究対象にねらいを定めている。それはInstagramやYouTube広告の活用だ。動画広告は地方企業の参入がまだ少なく、地元でのインパクトが大きい。現在は適切なターゲット設定やコンテンツについて研究中だという。

 自らの強みや独自性を地域にそして全国に発信するSNSマーケティングは、ローカルスーパーの生き残りに関して非常に有効な武器になる可能性を秘めている。

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