長野のローカルスーパー「ツルヤ」のPBが強すぎる!

2019/05/08 05:00
「ダイヤモンド・チェーンストア」副編集長 雪元史章

長野県内で30店舗超のスーパーマーケットを展開するツルヤ(掛川健三社長)。同社はオリジナル商品の開発に力を入れており、加工食品・菓子、飲料、酒類、日配品など、ローカルスーパーとしては異例の規模でプライベートブランド(PB)を投入している。その品質の高さは地域住民のみならず、観光客や別荘族からも熱烈な支持を集め、業界関係者からも大きな注目を浴びている。ツルヤのPBはなぜ強いのか。

素材・製法にとことんこだわる!

19年2月にオープンしたツルヤ上諏訪店

 ツルヤは長野県東部の小諸市に本拠を置くローカルスーパーだ。現在は県内全域に店舗網を広げており、19年2月には諏訪市に「上諏訪店」を出店して店舗数は34店となっている。店舗運営面では徹底的な標準化を追求しており、売場面積は2000㎡前後、売場レイアウトや商品政策(MD)は各店舗で共通したものとなっている。

 標準化を図ることで運営コストを下げる一方、力を注いでいるのがPB商品の開発だ。長野県内の生産者やメーカーと共同開発した商品が多くを占め、化学調味料不使用、塩分の低減、有機素材の使用など、素材や製法にとことんこだわっているのもツルヤのPBの特徴である。

 こうした品質の高いPBは、顧客から熱烈な支持を集めている。業界関係者からの注目度も高く、ある有力スーパーマーケット企業のトップも「ツルヤさんのPB開発の手法には学ぶところが多い」と舌を巻く。

買って食べてみたら人気の理由がわかった

 なぜここまでツルヤのPBは強いのか? 実際に商品を購入して食べてみると、その理由はすぐにわかった。単純明快、とにかく「美味しい」のである。以下、筆者が注目した商品をいくつか紹介しよう。

※以下、すべて税別/2019年2月26日時点の価格

①適度な辛さがクセになる!「バターチキンカレー」(249円)

国産素材を使用。化学調味料は使っていない

 まずはレトルトカレーから。ビーフカレーやポークカレーなどもあるが、注目したいのはバターチキンカレー(249円)だ。四国産の鶏肉と信州産のエリンギ、リンゴを使っており、化学調味料は使用していない。製造者はキノコの生産で知られるホクト(長野県)傘下のレトルト食品メーカー、アーデン(同)という企業だ。

 皿に移してレンジで3分加熱。早速食べてみると、予想外にスパイシーだ。バターチキンカレーといえば甘口が主流だが、この商品は「中辛」。カレーにある程度の”パンチ”を求める人も満足いく辛さだろう。具材の鶏肉とエリンギは大ぶりで、かなり食べ応えがある。

②あの「ヤッホーブルーイング」とコラボした「信州高原地ビール」(179円)

「信州高原地ビール」はヤッホーブルーイングとのコラボ

 国産クラフトビールのパイオニア的存在である「ヤッホーブルーイング」は、実は長野県軽井沢町に本社がある。そんな同社とコラボ開発したのが「信州高原地ビール」(179円)だ。

 いくつか種類があるが、ここで紹介したいのはオーガニックビール。パッケージの文言によれば、有機麦芽・有機ホップを100%使用しており、「有機農産物加工酒類製造者」の認証を受けた醸造所で製造しているという。

 飲み口はすっきりとした印象で、ホップやアロマの香りが過度に主張することもなく、良い意味で万人受けしそうな味わいだ。オーガニックビール自体が日本ではまだニッチなカテゴリーであるなかで、それをPBとして展開してしまうのがツルヤの凄みである。

 

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PBそのものが来店動機となっている!

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