衣料大手、「お直し」強化=SDGs意識、大量消費転換

時事通信社
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アパレル リペア
(時事通信社)

 【ニューヨーク時事】環境負荷軽減に向け、ファーストリテイリング傘下のユニクロなど衣料大手が、有料で服を修理する取り組みを強化している。衣料産業は温室効果ガスを大量排出しており、SDGs(持続可能な開発目標)に強い関心が集まる中、その削減は待ったなしの課題。服の「お直し」に照準を合わせ、大量生産・消費からの転換を加速させる構えだ。

 米コンサルティング大手マッキンゼー・アンド・カンパニーによると、衣料産業が製造過程などで出す温室効果ガス(2018年)は計21億トンと、英独仏3カ国の年間排出量に相当する。こうした現状を踏まえ、欧州連合(EU)は30年までに再利用した素材の活用に加え、衣類の過剰な生産・消費に終止符を打つ目標を掲げ、廃棄物を減らす「循環型経済」を促進している。

 高級ブランド店が並ぶニューヨーク中心部の5番街に立地するユニクロの店舗では、今春から5ドル(約700円)で自社製品のほつれなどを直すサービスを始めた。幅広い世代が利用し、担当者によると「長く着用できていい」と顧客の評判は上々。日本国内でも修理を受け付ける店舗を増やす。

 スウェーデンのヘネス・アンド・マウリッツ(H&M)も同国を含む5カ国で修理サービスを展開。ZARAは修理に加え、中古商品をオンライン上で売買できる仕組みを英国で導入しており、世界の主要都市にも広げる方針だ。

 米紙ウォール・ストリート・ジャーナルによると、ZARAを運営するスペインのインディテックスのマセイラス最高経営責任者(CEO)は「修理などの取り組みは業界の変革を試みるものだ」と意義を強調している。

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