商社、広がる社内副業=縦割り打破、社員の成長も

時事通信社
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〔写真説明〕総合商社で「社内副業」を後押しする動きが広がっている(イメージ)

 総合商社で「社内副業」を後押しする動きが広がっている。就業時間の一部で他部署の社員と関心のあるテーマに取り組めるようにし、新たなビジネス創出や社員個人の成長につなげる。手がける事業が多岐にわたり、縦割りになりがちな組織の壁に、風穴を開ける狙いがある。

 三菱商事は2月、業務量の15%を希望する他部署の業務に充てられる社内「複業」制度を開始した。入社3年目から利用でき、秋田県や千葉県の洋上風力発電予定地での地域おこし事業などが想定されている。

 中西勝也社長は、「人材の流動性を高める。いきいき、わくわくと働いてほしい」と話す。自律的なキャリア形成を促したい考えで、自ら社内異動を申し出ることができる制度も整えた。

 伊藤忠商事は4月、オンライン上で組織横断のチームを作り、週5時間を上限に新たな業務や事業に取り組む「バーチャルオフィス」を本格始動。昨年の試行に参加した男性社員は、「社内にこんな人がいるのかと刺激を受けた」と話す。

 社内副業で先行する丸紅は、2018年度に就業時間の15%を他事業に割ける制度を開始。20年度には、他部署に協力すれば「コイン」(1コイン=1万円)を得られる仕組みも取り入れ、翌年度約550件の副業実績につながった。

 社外での副業を認める動きも出始めている。三井物産は、「社員の学びの場を広げる」として、原則禁止していた社外副業を許可制にした。双日では、ジョブ型雇用を導入する子会社に転籍した上、一定の日数、従来の仕事を行えば、その他の時間を起業や社外副業に充てられる。 

 ◇商社の副業制度など
 社 名   制度・組織名               内 容
▽三菱商事 デュアルキャリア       業務量の15%を他部署の業務に充てて「複業」可能
▽伊藤忠  バーチャルオフィス      オンライン上の組織横断のチーム。週5時間までを協業案件に
▽丸紅   クロスバリューコイン     社内副業で他部署に貢献した際、金銭報酬を得られる
▽三井物産 兼業副業ガイドライン     社外副業を許可制に。ユーチューバーや大学講師を想定
▽双日   双日プロフェッショナルシェア ジョブ型の人材子会社。転籍すれば起業や社外副業が可能に

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