バローグループ入りした八百鮮、坪売上1900万円の売場づくりとは

Pocket

2021年11月にバローホールディングス(以下、バローHD)傘下に入った八百鮮(大阪府/市原敬久社長)は、大阪府と愛知県で生鮮強化型食品スーパー(SM)を展開している。同社が展開する店舗はいずれも高い坪効率を誇っており、創業十数年で年商約45億円を達成。同社の圧倒的な坪効率を実現している要因と、バローHDへ参入後の変化について市原社長に聞いた。

わずか十数年で年商約45億円を達成

 大阪を本拠とし、大阪府に5店舗、愛知県に2店舗の生鮮特化型SMを展開している八百鮮(屋号も同名)。売場面積30~80坪ほどの小型店舗が中心だ。店内には、同社の強みでもある市場から仕入れた青果や鮮魚がずらりと並ぶほか、6年ほど前からは精肉も投入し、生鮮3品が揃う。そのほか限定的に日配と加工商品も取り扱っている。八百鮮は、主に大阪府下の商店街に出店し、その周辺の20~60代の住民から高い人気を誇る。どの店舗も平日の昼間から多くのお客でにぎわっている。

八百鮮空堀店外観
1日約560万円を売り上げるいちばん店の「八百鮮空堀店」

八百鮮 企業概要
●所在地: 〒564-0063 大阪府吹田市江坂町1-21-17 ESAKA松尾ビル4F
●創業: 2010年12月1日
●資本金: 2000万円
●店舗数: 7店舗
●売上高: 約45億円(22年3月期)

 2010年、大阪市福島区野田商店街の一角で八百屋としてスタートした八百鮮は、わずか十数年で年商約45億円を達成するまでに急成長を遂げた。今期の売上目標である約55億円もほぼ達成できる見込みだ。市原社長は「コロナ禍以降も毎年およそ120%の成長をしている。利益面では原価や電気代の高騰もあったが、売上伸長分がそれをカバーできている」と話す。それに伴い経常利益高についても5年で5倍になり、順調に推移しているという。

 驚くべきはその坪効率の高さだ。いちばん店である「八百鮮空から堀ほり店」の1坪当たりの売上は年間約1300万円、「八百鮮野田本店」(いずれも大阪府大阪市)は約1900万円。野田店は一般的なSMの5~6倍の坪効率を誇る。このため、売場面積30~80坪の狭小地でも十分な売上・利益を確保できるというわけだ。

市原敬久氏
八百鮮代表取締役社長の市原敬久氏

 このように近年も堅調な成長を続ける八百鮮は、市原社長がバローHD傘下で生鮮強化型SMを展開するタチヤ(愛知県/武田大輔社長)出身であるため、その影響を色濃く受け継いでいる。

 まず、仕入れた商品をその日に売り切ることをコンセプトとし、新鮮な生鮮商品を安価に提供することに徹している。鮮魚は、営業直前に市場から

続きを読むには…

この記事はDCSオンライン+会員限定です。
会員登録後、DCSオンライン+を契約いただくと読むことができます。

DCSオンライン+会員の方はログインしてから閲覧ください。

記事執筆者

ダイヤモンド・チェーンストア編集部 / 株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア

ダイヤモンド・チェーンストア編集部は、業界をリードする提案型編集方針を掲げ、小売業の未来を読者と共に創造します。私たちは単なるニュース伝達に留まらず、革新的なビジネスモデルやトレンドを積極的に取り上げ、業界全体に先駆けて解説することを使命としています。毎号、経営のトップランナーへの深掘りインタビューを通じて、その思考や戦略を読者に紹介します。新しくオープンする店舗やリニューアルされた店舗の最新情報を、速報性と詳細な分析で提供し、読者が他では得られない洞察を手に入れられるよう努めています。私たちの鋭い市場分析と、現場の細部にわたる観察を通じて、注目すべき店舗運営の秘訣を明らかにします。

ダイヤモンド・チェーンストア編集部紹介サイトへ

関連記事ランキング

関連キーワードの記事を探す

© 2024 by Diamond Retail Media

興味のあるジャンルや業態を選択いただければ
DCSオンライントップページにおすすめの記事が表示されます。

ジャンル
業態