百貨店、3社が大幅増益=客足回復、そごう・西武赤字―23年2月期

時事通信社
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新型コロナウイルスの感染状況が落ち着いて客足が回復。

 大手百貨店4社の2023年2月期連結決算が14日、出そろった。新型コロナウイルスの感染状況が落ち着いて客足が回復。インバウンド(訪日客)消費も急増し、高島屋やJ・フロントリテイリングなど3社が大幅な増益を確保した。一方、そごう・西武は一部店舗の改装費が負担となり、純損益が4期連続の赤字だった。

 高島屋はコスト抑制も奏功。会計基準の変更により単純比較はできないが、純利益は前期の5.2倍となる278億円と過去最高益になった。14日に記者会見した村田善郎社長は「高級ブランド品などが売り上げをけん引した。インバウンドは今後も拡大していく見込みがある」と述べた。

 Jフロントは純利益が3.3倍の142億円に拡大。神戸店の売上高はコロナ禍前の水準を上回った。松屋はインバウンドによる宝飾品などの高額消費が収益に貢献。そごう・西武も、本業のもうけを示す営業損益は黒字転換した。

 先行きについては、水際措置が緩和された中国本土からの来客増加に期待を寄せる声が上がる。ただ、Jフロントの好本達也社長は「(コロナ禍の反動消費という)特需に支えられている面もある。今の状況を過大評価するべきではない」と指摘した。 

 ◇百貨店4社の23年2月期連結決算
          営業利益   純損益
高島屋       325    278
         ( ― )  ( ― )
Jフロント     248    142
        ( 2.1倍)( 3.3倍)
そごう・西武     24   ▲130
         ( ― )  ( ― )
松屋          3     43
         ( ― ) ( 4.4倍)
(注)単位億円、億円未満切り捨て。▲は赤字。カッコ内は前期比、―は比較できず。高島屋は会計基準の変更により比較できず。Jフロントは国際会計基準で、営業利益は事業利益。そごう・西武は単体

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