西友ネットスーパー、流通総額2ケタ伸長!データ分析とアプリ拡充で拡大する戦略とは

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ネットスーパー

食品小売業界を牽引する「OMOリテーラー」をめざしている西友(東京都/大久保恒夫社長)。同社がデジタルマーケティングとともにOMO戦略における重要な施策と位置づけているのがネットスーパーだ。店舗出荷と倉庫出荷を併用した効率的な配送体制により、西友のネットスーパー事業は好調に推移している。

流通総額は2ケタ伸長

 革新的なOMOリテーラーを志向する西友は、2025年のめざす姿として「顧客ニーズの変化への対応でナンバーワン」「ネットスーパーでナンバーワン」「デジタルマーケティングでナンバーワン」を実現し、「食品スーパー(SM)として業界ナンバーワン」になることを掲げている。

西友執行役員チーフデジタルオフィサー兼デジタル事業本部本部長 小森紀昭氏
執行役員チーフデジタルオフィサー兼デジタル事業本部本部長 小森紀昭氏

 食品のEC化率はコロナ禍を機に上昇しつつあるものの、まだ3%程度という低い水準にとどまっている。執行役員チーフデジタルオフィサー(CDO)兼デジタル事業本部本部長の小森紀昭氏は「食品のEC化率は将来的に10~15%まで上昇し、その市場規模は現在の5倍に拡大するだろう」と予測したうえで、「西友では市場規模の拡大を見越して先行投資し、ネットスーパー事業を健全に成長させていく」との基本的な戦略を示す。

 18年から楽天グループ(東京都/三木谷浩史会長兼社長:以下、楽天)と共同で運営する「楽天西友ネットスーパー」は、市場規模の伸長率を上回るペースで成長している。21年度の流通総額は対前年度比26%増の約500億円。22年度も概ね好調に推移し、第3四半期時点の流通総額は対前年同期比15.2%増の2ケタ伸長となっている。

「ハブ&スポーク方式」で効率化を加速

西友店舗でのピッキングの様子
西友店舗でのピッキングの様子

 「楽天西友ネットスーパー」は店舗出荷型と倉庫出荷型のハイブリッドで運営されている。OMOの基本的なコンセプトとして「店舗を日常的に利用しているユーザーがネットスーパーも併用するSM」を志向し、店舗出荷型ネットスーパーの配送エリアを店舗の商圏とできるだけ一致させる一方、店舗から離れたエリアは

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ダイヤモンド・チェーンストア編集部 / 株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア

ダイヤモンド・チェーンストア編集部は、業界をリードする提案型編集方針を掲げ、小売業の未来を読者と共に創造します。私たちは単なるニュース伝達に留まらず、革新的なビジネスモデルやトレンドを積極的に取り上げ、業界全体に先駆けて解説することを使命としています。毎号、経営のトップランナーへの深掘りインタビューを通じて、その思考や戦略を読者に紹介します。新しくオープンする店舗やリニューアルされた店舗の最新情報を、速報性と詳細な分析で提供し、読者が他では得られない洞察を手に入れられるよう努めています。私たちの鋭い市場分析と、現場の細部にわたる観察を通じて、注目すべき店舗運営の秘訣を明らかにします。

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