ダークストアから撤退し、多様な業態にクイックコマース提供する「ウォルト」の戦略と強みとは

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ネットスーパー

フィンランド発の料理宅配サービス「Wolt( ウォルト)」を運営するWolt Japan(東京都:ウォルトジャパン)は、食品スーパー(SM)やドラッグストア(DgS)などさまざまな業態と協業しクイックコマースサービスも提供するデリバリープラットフォーマーだ。独自のAIシステムを強みに生産性を高めながら、提携店と利用者を着実に増やしている。

若年層の獲得に強み

 ウォルトは2014年、フィンランドの首都ヘルシンキで創業したデリバリー企業だ。日本では同社初のアジア現地法人、ウォルトジャパンが20年3月から広島県で事業をスタート。その後は着々と事業エリアを広げ、北海道・沖縄県を含む全国24都道府県(22年8月時点)でサービスを展開する。

 配達しているのは飲食店の料理のほか、食品、日用品など幅広い。「ポケットの中のショッピングモール」をコンセプトとするウォルトは、スマホを操作すれば、欲しい商品をすぐに手に入れることができる利便性の高いサービスだ。スマートフォンのアプリやウェブサイトを通じて受けた注文は、原則30分以内に届ける即時配達サービスを提供している。

 当初はウーバーイーツ(Uber Eats)のように、飲食店の食事を配達する事業からスタートし、現在はリテール(小売店)分野にも注力。「アークス」「ヨークベニマル」などのSMや「ツルハドラッグ」のようなDgS、「ローソン」「セイコーマート」などのコンビニエンスストア、百貨店や専門店といった幅広い業態と提携している。

 直近の動きに目を向けると、22年12月からはマックスバリュ西日本(広島県/平尾健一社長)の広島県内の3店舗がウォルトとの提携を開始。同月15日には、DgS企業の新生堂薬局(福岡県/水田怜社長)が一部店舗でサービスをスタートした。導入企業は全国40法人以上(店舗数は非公表)。

 ウォルトの主な利用者は

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ダイヤモンド・チェーンストア編集部 / 株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア

ダイヤモンド・チェーンストア編集部は、業界をリードする提案型編集方針を掲げ、小売業の未来を読者と共に創造します。私たちは単なるニュース伝達に留まらず、革新的なビジネスモデルやトレンドを積極的に取り上げ、業界全体に先駆けて解説することを使命としています。毎号、経営のトップランナーへの深掘りインタビューを通じて、その思考や戦略を読者に紹介します。新しくオープンする店舗やリニューアルされた店舗の最新情報を、速報性と詳細な分析で提供し、読者が他では得られない洞察を手に入れられるよう努めています。私たちの鋭い市場分析と、現場の細部にわたる観察を通じて、注目すべき店舗運営の秘訣を明らかにします。

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