本誌独自調査!ネットスーパー利用者割合は横ばいのまま!市場拡大に向けた課題とは

解説:mitoriz DMB本部 辻本崇、mitoriz DMB本部:金田葵
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ネットスーパー

コロナ禍を機に大きく利用が伸びたといわれるネットスーパーとクイックコマース。しかし足元では、行動制限の解除や商品の値上げなど、利用機会が減る懸念も出ている。実際の消費者はどのような使い方をしているのだろうか。消費者へのアンケート調査でその実態を紐解いていく。
調査期間:2022年12月9~22日、POB会員「レシート de Ponta」サイトによるインターネットリサーチ

全体の7割以上が「実店舗のみ」

 mitoriz(ミトリズ:東京都/木名瀬博社長)は、全国100万人以上のアクティブユーザーからレシート画像とアンケート回答を収集する購買証明付き購買理由データベース「マルチプルID-POS購買理由データPoint of Buy(ポイント・オブ・バイ: POB)」を保有し、消費者の購買行動やその背景などを分析している。

 今回はネットスーパーとクイックコマースの利用状況ついて、レシート投稿サービス「レシート de Ponta」の会員にインターネットアンケート調査を実施した。回答者は20~60代の各年代332人からなる計1660人で、関東在住者が38.4%で最も多く、近畿(19.5%)、東海(12.8%)がそれに次ぐ。回答結果の分析では、年代別の回答数に比重値を乗じて調整した「ウエイトバック集計」を採用し、年代別の人口構成比による偏りを排除して全体の傾向を調べた。

ネットスーパーイメージ
実際の消費者はどのような使い方をしているのだろうか。消費者へのアンケート調査でその実態を紐解いていく。(i-stock/byryo)

 まず、日常的な生活必需品の購入先を聞くと(図表❶)、「実店舗のみ」(73.7%)が最も多く、ネットスーパーを利用する割合は「実店舗とネットスーパーを併用」(23.9%)と「ネットスーパーのみ」(0.3%)を合わせて24.2%にとどまっている。回答者が同一ではないため参考程度だが、この比率は1年前の小誌2022年2月1日号50ページ掲載のデータと比較してもほぼ同じだ。

図表❶ふだん使いの生活必需品の購入先

 年代別で見ると、「実店舗のみ」は20代以外のすべての世代が7割を超えていた。また、「実店舗とネットスーパーを併用」する人は、20代(27.7%)と60代(27.4%)が他の世代より高かった(図表❷)。

図表❷年代別ふだん使いの生活必需品の購入先

 居住地別では、「実店舗のみ」の割合は東海(82.6%)、中国・四国(79.7%)と地方ではまだ比較的ネットスーパーが根付いていない一方、「実店舗とネットスーパーを併用」の割合は北海道(30.2%)、北陸・信越(26.5%)、関東(26.1%)が高く、雪国や都市部を中心に利用が広がっているようだ。

 世帯収入別では、「実店舗のみ」の割合が「年収300万円未満」(76.7%)、「年収600万~700万円」(74.7%)、「年収300万~400万円」(74.5%)で多く、「実店舗とネットスーパーを併用」の割合は「年収1000万円以上」(32.1%)、

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