オーケー二宮涼太郎社長が語る  2020年振り返りと今後の成長戦略

大宮 弓絵 (ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長)
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緩めぬ新規出店スピード
神奈川県平塚市にも進出へ

 コロナの影響を受けても、オーケーの出店政策は基本的に変わりません。20年度の新規出店数は6店にとどまりましたが、引き続き、年間10店ペースを目標に出店していきたいと考えています。

 改装については、20年はコロナ禍で地域のお客さまがお困りにならないようにすることを再優先に、一時閉店を伴う改装は見送りました。そのぶん21年には改装も進めていきます。

 次の新規出店は21年3月の予定で、こちらも初進出となる神奈川県平塚市に、売場面積約620坪の店をオープンします。このように比較的郊外でも、売上が見込めそうなエリアでは新規出店しつつ、同時に、近年強化している東京23区を含めた都心部へも積極的に出店していく方針です。

オーケーは近年強化している東京23区への出店も引き続き積極的に進める。写真は19年11月に東京都墨田区に開店した「住吉店」
オーケーは近年強化している東京23区への出店も引き続き積極的に進める。写真は19年11月に東京都墨田区に開店した「住吉店」

宅配サービスを検討
人材獲得にも注力

 需要が高まる宅配サービスについては、カード会員さまを対象に、店頭で購入した商品を税込260円~の配送料をいただき自宅まで届ける「有料配達」サービスの実施店舗を拡大しています。現時点で、全体の約3分の1となる37店で行っています。エリアによってバラつきはありますが、実施後、利用が一気に広まっている店舗もあります。

 一方コロナ禍では、自宅にいながら商品を注文し受け取れる宅配サービスの需要がさらに顕在化しています。オーケーとしても、いずれそうしたご要望にもお応えしていきたいと思います。

 今後については、コロナ禍の売上増で得た原資を、まずは新規出店による店舗網拡大に生かしていきたい考えです。

 また現在、これまで課題となっていた人材の獲得がしやすくなっています。将来的のために今こそしっかり人手を確保するとともに、教育も強化していきます。

 これから経済環境はさらに厳しくなるでしょう。そうしたなかオーケーが強みとする「ディスカウント」は、お客さまが店を選ぶ際のより重要なポイントになると思いますので、ますます競争力に磨きをかけてまいります。

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記事執筆者

大宮 弓絵 / ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長

1986年生まれ。福井県芦原温泉出身。同志社女子大学卒業後、東海地方のケーブルテレビ局でキャスターとして勤務。その後、『ダイヤモンド・チェーンストア』の編集記者に転身。最近の担当特集は、コンビニ、生協・食品EC、物流など。ウェビナーや業界イベントの司会、コーディネーターも務める。2022年より食品小売業界の優れたサステナビリティ施策を表彰する「サステナブル・リテイリング表彰」を立ち上げるなど、情報を通じて業界の活性化に貢献することをめざす。グロービス経営大学院 経営学修士

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